⒈何の音を
⒉何番の指で
⒊どれだけの長さ
⒋どのキー・ポジションで弾くか
という個別の要素(情報)を同時処理していくことが「ピアノを弾く」という行為です。
四つを同時処理することは、認知症予防には二つのことを同時に行うと良いと言われますが、ピアノを弾くという行為は四つのことを同時に処理して進めていくので、正しいやり方できちんと行えば、ピアノは認知症の予防に効果があると言えると思います。
認知症の予防だけではなく、子どもには脳の発達に良いと思います。
ただ、四つがきちんと出来ていればの話です。
これまで下は1歳8ヶ月〜上は84歳の初心者の方までレッスンを行ってきましたが、60歳を過ぎると、新しい脳の回路を作るのが難しくなってくるように思います。
高齢になると「何の音」と「何番の指で」は比較的処理できるようですが、長さとキーポジションに頭が回らない方が多いように感じます。
ピアノは、左右の手がありますから、右手と左手の両方を同時に処理するわけですから、ピアノが初めての初心者の方は、脳の回路を作るのが大変な作業ではないかと思います。
一連の作業が上手くいかない生徒さんの目を見ていると、動きが大きいのが特徴です。
目だけではなく、頭まで動かしている生徒さんもおります。
楽譜を見る時は、目で楽譜を追います。
私のレッスンでは、小さいお子様、導入の時、ボールを使って目で楽譜追う練習をします。
これは、子供の脳の発達にも良いと、脳科学者の澤口先生の著書にもありました。
ピアノを弾くのに、ピアノは楽譜を見ながら弾きますので、目の動かし方はとても重要なのです。
4歳くらいになると、山なりに投げたボールをキャッチすることが出来るようになりますので、お家でお子さんとやってみてください。
3歳くらいですと、まだ山なりは難しいので、床をコロコロと転がす遊びをやってあげると、集中力も育まれます。
5歳になっても、山なりのボールがキャッチできない時は、発達に少々問題があるかもしれません。
ピアノを弾く準備として、じゃんけん遊びを行います。
これは、5本の指を自分の思うように動かせるようにするための訓練です。
重度の発達障害のお子様の中には、中学生になってもチョキができない子供もおります。
認知症を発症しても、チョキができなくなったりします。
次に、歌を歌うことで、呼吸とリズムを覚えます。
呼吸ができると、フレーズがわかって弾けるようになります。
「ピーターラビットと学ぶはじめてのピアノ教本」では、「四分休符は、音を出さないしるし」と教え、具体的には「息を吸うところと息を止めるところ」と教えますので、歌うことがとても大事なのです。
最初の一曲目から「音楽」の中で呼吸をすることをしっかり習慣づけます。
最初の一曲目は、「ド」というたったひとつの音ですが、たったひとつの音でさえ、左右両手で弾き、左手か、右手か、全く音を出さないか、この3種類のことで、リズミカルに弾き繋いでいって、体験・体得することは、いずれ音が増えていったときにポリフォニーにも繋がる大切な体験の一歩なのです。
ピアノは、歌うことが大事なのです。
歌は呼吸です。
呼吸ができないとフレージングができないのです。
以上のように、ピアノが上手く弾けるようになる基礎は、遊びの中で得られるものがたくさんあるのです。
特に脳が臨界期を迎える2歳半までは、お子様と一緒に歌ったり遊んであげてください。
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