よくある質問

Q1.何歳から習えますか?

医学的な観点から、ピアノ演奏のプロセスは脳からの指令により筋肉が収縮しこれによって関節が動いて打鍵動作が行われるので、子どもの手の発育は、①骨・関節の発育、②関節を動かすための筋肉の発達、③筋肉に指令を与える神経系統の発達の3つに分けて考えることが出来ます。

①骨・関節の発育…………骨の成長というのは骨全体が少しずつ大きくなってゆくのではなく、各骨の両端にある軟骨の部分が骨に置き換わってゆくことで発育してゆきます。レントゲン写真ではカルシウム成分を含む骨の部分は写りますが軟骨は写りません。一般に3歳までに指の骨の関節はレントゲン写真に現れますが、手のひらの根元に当たる手根骨という部分はまだ出揃いません。手根骨がすべて骨化して出揃うのは女子で7歳〜8歳、男子で10歳〜11歳です。これらの年代はまだ各骨は発育途上ですが、一応成人と同じ数だけの骨がレントゲン写真上で認められるようになります。骨になりきらない部分がかなり弱いであろうことは想像でき、安易に幼児期から打鍵動作を強要するべきではないことは考えられます。

②筋肉の発達………ピアノのキーを押すには最低限数十グラムの力しか必要としませんが、スタッカートをクリアに響かせる為には1本の指先だけで最大1キログラムもの打鍵力として加わってきます。したがって筋肉からみた場合は3歳でも十分ピアノのキーを叩くことはできますが、どのレベルの打鍵を要求するかは別問題です。

③神経系統の発達………生後6ヶ月頃の子どもは物をつかむ際に十分指先を使用せず、手のひらを使うことが多い。これが8ヶ月頃から個々の指の動きが認められ、1歳になると親指と人差し指の間で物をつかむ動作がほぼ完成されます。1歳6ヶ月頃にはほとんど成人と同様のつかみ方を習得しますが、スプーンの持ち方など日常の細かい動作はまだ完成されていません。食事、着衣などの基本的動作が完成されるのは5歳頃と言われており、これ以後はより巧みな動作が習得されてゆきます。

3歳でもかなりの指の運動ができる子どもがいます。ピアニストや音楽大学の学生にピアノを始めた年齢を聞くと3歳と答える人が多いですが、初めからピアノの正確な打鍵操作を教わったわけではなく、まずはピアノに慣れ親しみソルフェージュを兼ねてピアノに向かわせ、本格的なレッスンはもう少し年長になってから始めた人が多いです。ピアノ奏法そのものは5歳になってから始めても結果的には大差はないですが、絶対音感は特定年齢までに訓練しないと習得が難しいので小学校に入る頃まではピアノを弾かせることにこだわらずに、ソルフェージュ教育に主眼を置くべきと考えております。

以上から、絶対音感を習得したい方は3歳4歳でお始めになられることをおすすめします。ピアノは5歳〜小学2年生位までにお始めになられると、小学6年生でピティナピアノコンペティション小学6年生以下のC級に参加できます。

Q2.電子ピアノでもレッスンを受けられますか?

受けられます。

ただし、コンクールで上位入賞を目指す方は、グランドピアノをお勧めします。

Q3.毎日どれくらいの練習が必要ですか?

導入期と大人の初心者は、お家で全く練習をしなくても、お教室に通いレッスンをお受け頂くだけで弾けるようになるレッスンを行っておりますので、ご自宅での練習は自由ですが、お子様は学びの習慣をつけることも指導の目的としていますので、幼児は5分程度から、小学生は10分程度から始めると良いでしょう。最初は譜読みの練習からです。

曲数とレベルによりますが、コンクールの課題曲は1曲1時間〜1時間30分程度は必要です。

チェルニーだけでも力をつける為には、最低でも1時間は必要です。