自閉スペクトラム症ピアノレッスン

自閉スペクトラム症ピアノレッスン

ピアノの指導を始めて40年が過ぎ、自閉症の子どもにピアノを教え始めて30年になります。

「自閉症なんですが、ピアノを教えてもらえますか?」なんておっしゃる方はおりませんでした。

ただ、レッスンを始めて、3ヶ月くらい経っても、音符が読めるようにならなかったり、挨拶をするとき、斜めを向いて挨拶したり、私と目を合わすことを避けているように思う5歳の女の子が、自閉症と医師の診断を受けた最初の生徒さんでした。

親御さんにお叱りを受けるのを覚悟して、「一度専門医を受診してみてはいかがでしょうか?」と申し上げました。

幼稚園の先生からも言われていたようで、発達障害専門の小児科を受診され、検査を受けた結果、自閉症と診断されたのです。

この生徒さんは、WISCーⅣのIQが69で、小学校は支援級で学びました。

ピアノは継続してくださいまして、四年生になったとき、WISCーⅣの検査をしたのですがIQが96と向上しており、中学からは支援級ではなく、一般のクラスに通うことができ、高校へも進学することができました。

今日のレッスンは、3名が自閉症の生徒さんでした。

特別支援学校に通っているWISCーⅣの検査ができないレベルの知的障害を伴う自閉症の生徒さん、WISCーⅣのIQが132で支援級に通っている生徒さん、WISCーⅣのIQが72で支援級に通っている生徒さん、3人とも診断名は自閉症です。

ピアノの進み具合はIQによって差があります。

IQ(知能指数)が低いお子さん、認知能力が低いお子さんは、進みが遅いです。

ピアノは個人レッスンなので、それぞれの能力に合わせた指導が出来ますが、学校の授業は能力に合わせた個別指導ではないと思うので、IQが低く認知能力が低い子は授業について行くのが大変でしょうし、IQ高く認知能力が高い子は授業がつまらないのではないでしょうか?

色々な生徒さんにピアノを教えていると、そんなことを考えてしまいます。

私が自閉症の子どもにもピアノを教えている理由は、WISCの検査結果から、ピアノで脳の機能を高めることが出来ているからです。