発達障害かも?という子供のピアノレッスン

発達障害かも?という子供のピアノレッスン

文科省の調査で、公立の小中学生8.8 %に発達障害の可能性があると報道がありました。

1クラスに3名だそうです。

文科省の調査結果をネット上で観ると、一人一人の生徒を細かく調査されているので、大変だったと思います。

私は、全ての人にどのように教えたらわかりやすくピアノを弾けるようにできるか研究をしてきました。

発達障害のお子様や、知的障害のお子様もおりました。

発達障害とはおっしゃいませんが、レッスンを始めてみると、お返事が出来なかったり、質問をしても何も答えなかったり、私の話を聞かない生徒さんがいたり、なかなか音符が読めるようにならない生徒さんがいたり、おうむ返しをする生徒さんがいたり、30分のレッスン時間のほとんどの時間を緘黙の生徒さんがいたり、上手く弾けないと足台を強く踏んだり、椅子を投げた生徒さんもおりました。

私は、30年以上発達障害を学び研究もしてきましたので、一二回レッスンをすれば今はすぐわかるようになりましたが、自分の子供の発達障害に気付いていない親御さんが多いように思います。

私の根底には「人は皆同じ、平等」という信念があるので、障害がある子供も同じにピアノが弾けるようにしたいという想いで必死にレッスンをしてきました。

私が子供にピアノを教える目的は、まずはピアノを楽しいと思ってもらいピアノを好きになって頂くこと、もう一つは、ピアノのレッスンを通して地頭を鍛え自立して生きていける力をつけること、そして、自分の人生を自由に生きて欲しいと思っています。

発達障害だからと言って、全ての人が支援を受けなければ生きていけないということは無いと思います。

発達障害者でも、テンプル・グランデインやグレン・グルドのような素晴らしいピアニストもおり、自立して自分の人生を謳歌しています。

私は、発達障害は、特性と考えております。

具体例を申し上げれば、なかなか音符が読めるようにならないお子様や、左手と右手が同時に動かすことが上手くできなかったり、楽譜を目で追っていくことができなかったり、正しい音程で歌えなかったり、様々な症状がありますが、彼らにとっては意味があることなのです。

ピアノは、脳で弾きます。

ピアノは、脳に正しい弾き方の回路を作って弾きます。

ピアノを弾く為の正しい回路を作るお手伝いをしてあげれば、一般的な生徒さんに教えるより手間はかかりますが(彼らの動きで彼らの脳を想像しながら進めなければならないので)必ず弾けるようになります。

ピアノを弾くことで、脳が活性化されますから、発達障害の改善が可能なのではないかと思います。

実際、発達障害と医師の診断を受けている生徒さんは、定期的にWISCーⅣの検査を受けておりますが、全員の生徒さんがIQが高くなっており、支援が不要と言われた生徒さんもいます。

知的障害で特別支援学校に通う生徒さんでも、中学卒業の時には多くの生徒さんがバイエルを終了しており、一番進まなかった生徒さんでもバイエル66番まで弾けるようになり、高等科は水戸市にある全寮制の高校に進まれました。

発達障害で問題になるのは、なる時は、社会的な問題を起こした時です。

荒川沖駅構内での無差別殺人事件を起こした犯人は、広汎性発達障害の診断を受けましたが、死刑判決となり執行されました。

土浦市高津で起きた家族による一家皆殺し事件の犯人は、統合失調症の診断を受け、無罪になりました。

一般的な人も発達障害の人も、社会のルールを守らなければならないということは同じです。

音楽を学ぶ時、ピアノを学ぶ時も、音楽の決まり、楽譜の決まりがあります。

私の教室では、社会生活を営む上で、最低身についているとあまり周りと衝突をしなくて済むのでは無いかと思うこと「挨拶・身だしなみ・ルールを守ること」も教えております。(言い換えれば、生きる力)

最後までお読み頂き有難うございました。

今日も希望に満ちた素敵な一日になりますように!