ラカンがフロイトへの回帰と言ったように、ピアノの指導も基本に回帰かなーとか思うことがあります。
私がピアノを習い始めた頃は、バイエルかメトードローズしかなく、私はバイエルから習い始めました。
難しいとか出来ないと思ったことは一度もありませんでした。
先生に譜読みを教わったとか、初見をレッスンしてもらったと言うこともなく、自分でドンドン譜読みをして弾けるように練習してレッスンに行って、レッスンで練習した曲を聴いてもらって、出来ていたら丸をつけてくれて、の繰り返しでした。
教え始めた時は、自分が教わったと同じようにバイエルを使ってレッスンを行っていましたが、自分のように弾けるようになる生徒さんはおりませんで、「なんで弾けないのだろう」と悩みました。
教え始めて40年になりますが、導入期の教則本が後から後から出版され、私も生徒さんに試しました。
結局のところ、生徒さんの理解力なのではないかと思うようになりました。
ピアノが上手い子がお勉強が出来るのではなく、お勉強が出来る子はピアノも上手く弾けるようになっていると思います。
幼児を観ていると、上手く弾ける子は、頭が良く反応が良い子が多いです。
これまで年中さんで2名の生徒さんをピティナピアノコンペティションにおいて全国入賞者記念コンサートに出場させることが出来ましたが、一人の生徒さんは1回60分のレッスンを月4回の通常レッスンだけで出場出来ましたが、もう一人の生徒さんは〇〇先生のレッスンも受けていたので課題が多かった為1回2時間のレッスンをほぼ毎日行っておりました。
幼児の場合は、大人が子供に時間をかければそれなりの結果を出すことが可能ですが、才能がある子は少し導いてあげるだけで自分で伸びて行くように思います。
子供はみんな才能の芽を持って生まれてくると思いますが、その才能の芽は同じではないです。
追加レッスン無しで入賞者記念コンサートに出場出来た生徒さんは、アップライトピアノで練習していましたし、両親はピアノを全く弾けませんでしたから、家で親が教えたと言うことではありませんので、才能と導きが上手く合った結果だったと思います。
才能とは、性格的なこともあります。
この生徒さんは、年少さんの時からよそ見をすることはなく、私が手本を弾くときは私が何を言わなくても真剣な眼差しで私を見つめ私が弾くのをしっかり聴いていました。
「こう弾くの?」とか「ここから弾くの?」とか主体的にレッスンを受けているお子さんでした。
コンクールで予選を通過している生徒さんは、皆さん主体的にレッスンを受けているように思います。
ピアノが上手くなる子って、努力ではないような気がします。
まだまだわからないことがたくさんあります。
どうしたら楽にピアノが上手く弾けるようになるか?日々考えています。