ピアノ教室が、二極化しているように感じます。
コンクールを売りにしている教室と、その他の教室。
大人の都合で子供が動かされているような気がします。
我が子の可能性を引き出し伸ばしてあげたいと思う親御さんのお気持ちは、よくわかります。
確かに子供の可能性は無限大です。
でも、あくまで可能性です。
演奏だけで食べていけるピアニストになれるかどうかは、生まれ持った才能+環境(親の経済力・指導者)+努力ではないかと思います。
可能性は無限大かもしれませんが、生まれ持った才能は同じではないと思います。
育つ環境も違います。
1回30分のレッスンで月3回〜4回程度のレッスンで、ピティナピアノコンペティションの4曲の課題曲を予選が通過できるレベルに指導するのは無理です。
親の経済力で子供の将来が左右されるのは如何なものかと思い、才能がありそうな子供は無料で追加レッスンを行っていた時もありますが、ある時、間違っていたことに気がつきました。
経験豊富なピアノ指導者であるならば、数回レッスンをすれば、そのお子さんの能力や伸び代は想像ができるのではないでしょうか?
子供に線引きをするのは良くないかもしれませんが、足し算引き算もままならない小学6年生の知的障害の子供に、ピティナピアノコンペティションで予選を通過させることは、正直言って、どんなに指導をしても無理です。
「やればできる」という言葉もありますが、出来ない子供もいます。
親御さんはピアノのことはわからないと思うので、わからないのが当然ですが、ピアノの先生は経験からある程度は見極めがつくと思います。
親がピアノの先生であれば、自分の子供がどこまでの可能性があるのか、経験からある程度の見極めができると思います。
なので、私は、どんな生徒にも、将来にわたりピアノを楽しむことが出来るように基礎の指導を丁寧にしっかりと知識と演奏技術を教えており、コンクールで良い点数がもらえるための指使いや弾き方の指導は行いません。
ピアノに限らず、何事も基礎の積み重ねが大切と考えております。
コンクールで良い点数を取らせる指導と、生涯にわたりピアノを楽しむ為の指導は、残念ながら同じではありません。
ピティナピアノコンペティションで言えば、小学生で全国大会に出場できて金賞を受賞できてもC級程度でピアノをやめてしまうよりは、A2級(幼児)〜F級(高校3年生以下)まで挑戦し、地区予選を通過でき地区本選に出場できるように育って欲しいと思います。
今のところは、10点満点で8.5点くらいでピティナピアノコンペティションは予選が通過できますから、8.5点を目標に指導を行っております。
曲の構成や表現力がそれなりにあれば8.5点は取れています。
9点以上を取る為には、拍子感やリズム感など音楽的な能力を育てる必要があります。
曲の構成や表現は、どこでどんな勉強をしてきた指導者に指導を受けているかで変わりますが、誰が審査をしても変わらないところは、拍子感とリズム感で、音楽の三要素「リズム・音程・ハーモニー」です。
リズムが無かったら、音楽と言えないのです。
拍子が正しく打てなければ、正しいリズムは打てません。
拍子(リズム)の元は、心臓の鼓動であり脈拍です。
健康な人であれば、規則正しく拍子やリズムが打てるはずです。
音楽は、自然なことなのです。
私たちは、音楽と共に生きているのです。
心臓の鼓動が止まった時、私たちはこの世での人生を終えます。
最後までお読み頂き有難うございました。
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