合奏の経験は、ある一つの楽器だけが主役とは限らないことを、耳と心で捉えることができます。
自分が誰かの引き立て役になるとき、自分と誰かで、別の誰かの引き立て役になるとき、一人ひとりが対等にわたり合うとき、全員が総力を上げて一つになるとき、等々、その音楽の中で、その場その場で、常に自分のポジションや役割を知り、感じ、考え、思いやり、気配り、全体のバランスをとりながら、ここというときには、正当な自らの主張を有効に打ち出し、他者も自分も認め合い、共感し、与え合い、分かち合い、共に生かされあって幸福を知る───それぞれの出会いの中で。
実は私たちの人生と同じです。
ピアノのレッスンを通して、人生を豊かに生きていく力をつけることを指導理念としておりますが、その為には、連弾やピアノ二重奏・合奏などのアンサンブルが必要なのです。
つくば市にピアノ教室を開室した頃は、3人で6手連弾や、2台のピアノで8手ピアノ二重奏などを行ったり、発表会の時は「ブレーメンの音楽隊」の合奏を行ったこともありました。
ピアノの本当の喜びは、誰かと分かち合う喜びだったり、誰かに聴いてもらえる喜び、自分の存在をわかってもらえる喜び、自分をわかってもらえる喜び、誰かと繋がれる喜びだったりではないでしょうか?つまり、他者の存在があるのです。
そして、演奏する時は、誰かのために弾く、誰かを幸せにするために精一杯の努力をして素敵な演奏をするのです。
その誰かとは、親御さんだったり、愛する恋人だったり、先生だったり、、、、、、
私は、子どもの頃は母の幸せのために弾きました。
母は、私が小学校の学習発表会や音楽会などでピアノを弾くととっても喜んでくれたからです。
母を喜ばせたくて音楽科のある高校の音楽科を受験したようなものです。
その母の介護で発表会が出来なくなり、アンサンブルもストップしたままになっていますが、復活させようと考えています。
アンサンブルは、ソロできちんと弾けないとうまく揃わないので、一人ひとりのレベルアップも必要です。
本当のピアノの楽しさ音楽の楽しさと喜びを分かち合いましょう!