「世界の小澤征爾」さんが逝かれた。
「日本の小澤征爾」には最後までなれなかった。
二十代の頃からずっと願っていた、小澤征爾さんが日本を代表するオペラ団体の指揮をされることを。
二期会、藤原歌劇団、新国立劇場、
新国立劇場の芸術監督をされてもおかしくない人だったと思うのに、
棒を振ることは一度もなかった。
才能がある人が潰される。
昔、山本直純さんが司会をされていた「オーケストラがやってきた」と言うテレビ番組に、小澤征爾さんが出演していて、山田耕作の「赤とんぼ」を指導している場面があったが、この人は心から音楽を愛し感性がとっても豊かな人なんだなーと思いました。
才能がある人って、一般の人から見ると「なんて非常識な」とか「礼儀もわきまえないで」なんて思われる人もいるように思いますが、天は二物を与えないのかもしれませんね。
ピアノの先生の中には、グレングルドの演奏を良く思わない人もいますが、確かにグレングルドの演奏を現在のコンクールで行ったら良い結果は出せないかもしれないけど、審査員の中には才能を見抜く力をお持ちの方もいるのではないでしょうか?いて欲しいと願う。
藤田真央さんのモーツァルトも悪くはないと思いますが、私はグレングルドのモーツァルトの方が好きです。
藤田真央さんのモーツァルトは聴いていて心が安らぐ感じになりますが、グレングルドのモーツァルトを聴くと眠気が覚めると言いますか聴き入ってしまう感じです。
グレングルドのベートーヴェンも、特殊ではあるように思いますが、生きる力が湧いてくるような感覚で、すごいテクニックだと思います。
音楽って、演奏する人によって、こんなにも変わる、なんて素晴らしいものなのでしょう。
オーケストラは、指揮者の感性で演奏と言いますか音が変わるような気がします。
ピアノも感性は大事です。
指導者自身が感性が豊かでなかったら、生徒に感性豊かな演奏を教えることは不可能です。
感性とは、心で感じること。
音楽業界に限らず、良いか悪いかは別として、日本は才能を伸ばすのが難しい国のように感じます。
小澤征爾さんは、世界の小澤征爾になれて本当に良かったですね。
水戸芸術館の小澤征爾の後任はどうなるのか?
別な方面から小澤征爾をみた場合、小澤征爾さんのような方でも在宅医療を受けられて逝くんだと思いました。
想像すると悲しくなります。
東京には、お金をかけることが出来るのであれば、自由診療になりますが、24時間医師や看護師など医療スタックがいるホスピスのような病院もあるのです。
経験からですが、自宅で看取るのは辛いですよ。
医師や看護師は24時間患者についていると言うことはないですが、家族は24時間付きっきりになりますから、死の呼吸になってから呼吸が止まるまで見ていなければなりません。
これって、結構きついですよ。
国は在宅医療を進めていますが、これって本当にみんなが幸せなのでしょうか?
能登半島地震で、在宅医療を受けられていた人たちは、みなさん避難できたのでしょうか?