ピアノレッスン子供の心

ピアノレッスン子供の心

幼児〜熟年まで健常者も障害者もわかりやすく楽しく確実に上達できるレッスンを行っている結城美帆子ピアノ教室のブログへご訪問いただき有難うございます。

昨日レッスンにお越しになられた生徒さんのお話で感じたことです。

自閉スペクトラム症で支援級に通われている中学1年生です。

今年は、ピティナピアノコンペティションD級に挑戦したり、先週はピティナピアノステップで継続10回表彰を受けたりと、とっても頑張っている生徒さんです。

小学校卒業と同時にピアノを辞めてしまうお子さんが多い中、続けていること自体が頑張っていると言うことなのですが、本人曰く「僕は頑張っていないからダメです」。

こんなに頑張っているのにと思うのですが、自閉スペクトラム症の子は、そもそも「がんばる」と言う意味がわかっていない場合があるので、自分を褒めることが難しいようです。

自閉スペクトラム症の子供は、目に見えないことを理解するのが難しいのです。

なので、ピティナピアノステップのレベルの表を見せて、導入1〜展開3まで23ステップあって、「〇〇さんは応用3を3人のアドバイザーがAをつけてくれて合格できたのよ、頑張ったからAがついたのよ、頑張らなかったら、この曲だって弾けるようにならなかったわよ。」と申し上げましたが、この生徒さんの言いたいことがわからないわけでもありません。

自閉スペクトラム症の子供は、心が無いと言われたりしますが、感受性は高く感性も育ちます。

ただ、この生徒さんがコンペティションを受けた時、同じ演奏グループに全国大会で銀賞を受賞したお子さんがいたり、先週のステップではやはり同じ演奏グループで全国大会で金賞を受賞したお子さんがいたようで、自分の演奏と比べたのでしょう。

自閉スペクトラム症の子供は、自分の心の中の気持ちをうまく表現することが苦手なので、「自分は頑張っていない」としか言えなかったのではないかと思います。

「どうして頑張っていないとおもうの?」と聞きましたら、「練習していないから」とお答えになったのですが、全国大会で金銀を取った人に比べれば確かに練習時間は少ないですけど、一般の生徒さんと比べたらすごく練習しているお子さんです。

ピアノは他者と比べる必要はないのですが、コンクールやステップなど色々なレベルの人と同じステージで演奏する場合は、「くらべるな」と言う方が無理があるかも知れませんね。

やる気を出すことが目的でコンペティションやステップに参加をお勧めしているのに、参加をすることでやる気がなくなったら本末転倒です。

誰でも参加できる「あなたが主役」の結城美帆子門下生の発表会の復活を考えております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今日も素敵な一日になりますように!