子どものときに十分に褒められて育つと、心の健康な大人に成長します。
逆に、あまり褒められたことがなく育った大人は自己評価が低く、うつなどなんらかの心の問題を持つリスクが高くなります。
しかし、褒めることが難しいと感じている人は多いです。
乳幼児だと、なんかちょっとでもできると、大人たちは「すごい!」と褒めそやす。
しかし年齢が上がるにつれて、褒めたいと思えることが減ってくる。
逆に、やるべきことを子どもがやらず、叱ることのほうが多くなる。
小学校高学年ともなると、親の言うことなどちっとも聞かないし、勉強などそっちのけでゲームばっかりやっている。
褒めることなどどこを探してもほとんどない、、、、、、、。
親が褒めたいことと子どもが褒められて嬉しいと思うことは、じつは異なります。
親が褒めたいのは、子どもが苦手なことや嫌いなことでも我慢して努力したときや、大人の定めた規範を子どもが守ったときなどです。
一方、子どもが嬉しいのは、得意なことを褒められたときや、自分で課した課題をやり遂げて達成感を味わったことを褒められたときなどです。
勉強が大好きで得意な子どもなどでは、両者が一致しますが、そのようなケースはごく少数派です。
親は、子どもが努力しなくてもできることは褒めない傾向にあります。
しかし、得意なことは、あまり努力しなくてもできるから得意なのです。
それを親に認められることによって、子どもは自分の存在を大事に思われているかどうかを感じるのです。
努力しないと褒められないということばかりが続くと、子どもは自分の存在価値を否定されていると感じます。
もちろん、なんでも褒めればよいというわけではありません。
子どもが得意とも思っていないし達成感も味わっていないことを褒めると、それはそれで「この人は自分のことをわかってくれない」と感じてしまいます。
大事なのは、メリハリです。
子どもが褒められると嬉しいと思うことをしっかり褒めること。
褒められても何とも思わないようなことで歯の浮くような褒め言葉を言わないこと。
例えば、勉強が嫌いだがゲームは得意という子どもの場合は、子どもが難しいゲームをクリアしても、親は「ゲームなんかしないで早く宿題をやりなさい」などと叱ったりしていることが多いと思いますが、せめて、難しいゲームをクリアしたことについて「すごいね!」くらいに声をかけ、それから、「宿題は?」とおもむろに促してみましょう。
ピアノの練習についても同じです。