毎日新聞社が主催している日本音楽コンクール(以前は毎日音楽コンクールと言ってまして通称は毎コン)と、小学生の部からある日本学生コンクールがあります。
私が学生の頃は毎コンと言ってましたが、毎コンはプロとしての登竜門と言われておりました。
ピティナが主催するコンクールのように参加したい人は自由に参加できるというようなことではなく、師事している先生からコンクールを受けるように言われて参加できるというものでした。
先生に言われたら出ませんなんて絶対に言えませんから大変です。
先生に逆らったら破門ですからね。
毎コンはプロを目指す人たちのコンクールですから、みんな死に物狂いで頑張るのは当たり前でした。
私、浪人している時、毎コンで一位になった〇〇さんのコンサートで前座で演奏をさせて頂いた経験があるのですが、とっても貴重な経験をさせて頂いたと思っています。
やっぱり一位はすごかったです。
先生からは、「肌で感じてきなさい」と言われて出演させて頂きました。
本当に実力がある人って、それなりの努力はしていると思いますが、努力を感じさせないオーラがあるのです。
ピティナのコンクールに生徒さんを参加させている先生は、努力努力と言っていると思いますが(私も言っているので反省)、心からピアノを弾くことが楽しいと思えば努力なんて関係ないと思います。
「ピアノを弾くのが大好きだから弾いているだけ」
ピアノは弾かなければ上手くなりませんから、練習は必要です。
1時間の練習がやっとの人と、りんちゃんのように小学生4年生で毎日4時間弾いても苦にならない人もいます。
もし、同じコンクールに参加したら、毎日4時間練習しているりんちゃんの方が上手くなかったら変だと思います。
りんちゃんはエレクトーンでテレビにも出演して、1年前からピアノも始めたそうですが、ショパンのワルツをYouTubeにアップしています。
私、以前、音大の教授のお孫さんにピアノを教えたことがあるのですが、教授から「努力を必要とすることはさせない方がいい」と言われたことがあり、ずっと引っかかっていました。
ピアノって、努力程度で上手く弾けるようになるものではないということなのでしょうね。
努力することを教えるより、楽しさを伝えることが如何に大切かということではないかと思いました。
コンクールは、ある程度弾けるようになってピアノが楽しくなってから参加した方がよいのかもしれませんね。
幼児や低学年の頃は、やらされている感がありますからね。
色々わけがわかってきて、自分で決められるようになる小学5、6年生くらいから参加したい方がそれぞれに目標を設定して参加すれば良いと思います。
出来ることをすれば良いと思います。
無理なことはしない方がいいです。
自分の能力を見極めことも大切です。
ピアノは、短距離ランナーではなく、長距離ランナーの方がいいです。
だって今は人生100年時代を生きるのですから。
なぜ、ピアノを習うのか?
幸多きより心豊かな人生を送る為ではないでしょうか?
私のピアノ指導の目的は、ピアノを好きになってもらい生涯にわたりピアノを楽しんで頂けるように自力で楽譜を読み自力で弾けるように導くこと、なるべく苦痛を少なくピアノが上手く弾けるようにピアノの弾き方を教えることです。
コンクールで良い結果を出す為には、コンクールで良い点数をつけてもらえる演奏を教えるしかありませんので、個性的な弾き方は直すしかありません。
コンクールで良い結果を出す為には、コンクールで良い点数が取れる弾き方をすれば良いのです。
音大受験と同じです。
受ける大学の教授が良いと言う弾き方をすれば受かります。
音大受験は、個性的な弾き方をしたら受かりません。
目的によって目標が変わると言うことです。
一応ピティナの会員になっているのであまり言っちゃいけないかもしれませんが、ピティナピアノコンペティション特級グランプリになった方の演奏を聴いても背中に鳥肌が立たないのです。
私は、すごいと思う演奏を聴くと背中に鳥肌が立つのです。
今まで日本人のピアニストで鳥肌が立ったのは、指揮者でピアニストでもある、東フィルの常任指揮者だった渡辺一正さんだけです。
声楽家では、日本に帰国した時、東京文化会館でのアルジェリオクワドリさん指揮の東敦子先生のリサイタルと、84歳の時の栗本尊子先生のリサイタルです。
すごかった!
藤田真央さんや角野隼人さんなどもテクニック的には良いのでしょうけど、人間の心が感じられないのです。
つまらない演奏、心を揺さぶられないのです。
音楽って、本来は心を揺さぶられるものなのです。
私は精神分析を学んでいるので、精神分析的な観点から見てしまうのですが、精神分析は転移と逆転移みたいな見方をするのですが、彼らの心に空洞を感じるのです。
怖さを感じますが、清塚さんの演奏は面白いと思います。
分析してしまうのは私の習性で仕方がないです。
生徒さんには、コンクールで点取り虫になるより、心で演奏して欲しいと思います。
あなたは、この曲をどのように弾きたいですか?
私は演奏技術は教えますが、あなたの心は自由です。
あなたの心で思うがままに自由に演奏しましょう!