やっとペダルを使って弾くことに同意してくれた生徒さん

やっとペダルを使って弾くことに同意してくれた生徒さん

ブルグミュラーコンクールに参加される生徒さん。

子供の心「ペダルを使って弾きたいけど上手く踏めない、難しい、難しいことはやりたくない、ペダルは使わない」

指導者の心「ペダルを使って演奏した方が、ダイナミックな演奏ができ表現が豊かに演奏できるのでペダルを使って演奏して欲しいと思うけど、本人がペダルの良さを自覚しペダルを使って演奏したいと心から望まないと上手く使えないので、どうのように導いたらペダルを使って演奏したいと思うようになるか考えて考えて考える」

子供の心を無視しての指導はできないですからね。

そこで、

ピティナピアノステップを受けた時に、コメントで「ペダルが上手く踏めるアドバイスをいただきたい」と書いてもらって、アドバイザーからアドバイスをいただけたのですが、本人が知りたかったことは書いてなかったためか「ペダルは使いません」と本人。

アドバイザーが書かれたアドバイスを私が読んでも、「これは、できる人向けへのアドバイスかなー、できない人はこれでは理解できないかなー」と思う内容でした。

来週はコンクールなのにどうするか?

指導者としては、できれば最高の演奏をさせたい。

私は考え事があるとご飯が食べられなくなり夜も眠れなくなる。

今度は、

ピアニッシモのところは、ソフトペダルを使って弾かせてみた。

「どう思う?」

生徒さん「いい」

「ペダルを入れて弾く?」

生徒さん「ソフトペダルは入れる」

「ソフトペダルだけ入れることは出来ないのよ、ソフトペダルを使いたいのであればダンパーペダルも使わないとダメなの、どうする?」

生徒さん「ペダルを使って弾きたい」

やっと行ってくれました「ペダルを使って弾きたい」と。

この生徒さんは、自閉スペクトラム症です。

自閉症の人は主体が無いと言われるのですが、主体はあります。

主体はあるけど、出せないのです。

なので、自閉症の生徒さんは、常に主体を引き出すことを考えてレッスンを進めていかなければなりませんので、すごく大変です。

主体を引き出してあげれば、ピアノで自分の心を表現することができるようになり心を解放することが可能になります。

以上は、私が学んだラカンの精神分析をピアノのレッスンに応用した特殊なピアノレッスンです。

重度の知的遅れがある方は難しいですが、WISCーⅣの検査でIQが概ね70程度あれば平均値の100にすることが可能で、ほとんどの生徒さんが100を超えています。

自閉症でもピアノは上手く弾けるようになり、レッスンを続けることでピアノが得意となり自分の心を表現できるようになります。

音楽の本質とは、音で何かを表現することです。

最後までお読みいただき有難うございました。

朝の祈り

戦争が一日も早く終わりますように、

そして、

平穏な日々を取り戻すことができますように、

みんなが幸せに生きられますように、

祈ります。