親の心構え。結城美帆子

幸せとは何でしょうか?

私は、幸せとは、苦労が一つもないことではないと思います。

たとえどのような苦難があっても、それを乗り越えられると思える心にこそ、幸せがあると思います。

ですから、親として子供にすべきことは、困難を代わってあげたり、先回りして困難を取り除くことではありません。

たとえどんなことがあっても、「自分は大丈夫」と思える強い心を育てることです。

海にたとえれば、海が人生そのもので、波が試練だとすると、親は波が来ないことを願うのではなく波は必ず来るものとして、その乗り越え方を教えるべきです。

「魚を与え続けるのではなく、魚の釣り方を教えよ」というたとえもあります。

ピアノを通して、困難に負けない、へこたれない心を育てましょう。

困難に立ち向かう勇気や、何があっても自分を信じられる自信というものは、大人が育ててあげないと育つものではありません。

ピアノは、幸せの為にあるのです。

考えるピアノレッスン。結城美帆子

私のピアノの指導法は、生徒さんご自身に考えて頂くレッスンスタイルです。

音高音大受験指導をメインにしていた時は、合格する弾き方を教えておりましたので、考えるレッスンではありませんでした。

コンクールも、同じようなところがありましたが、考える習慣は、急に身につくようなものではないので、今は生徒さんに考えて頂くレッスンをしております。

教え込む教え方は、動物の調教です。

人間界で動物が主体性を持ってしまうと、おそらく共存は難しくなると思うので、共に幸せに暮らせるように行うのが、調教なのではないかと思います。

だから、野生で暮らす動物は、調教ではなく、射殺が多いのではないでしょうか?

人間には、主体があるのです。

ピアノを演奏する時も、主体が演奏しなければならないと思うのです。

その為には、主体を引き出し、主体に考えさせ、感じさせ、判断をさせることが必要ではないかと思うのです。

何も教えないわけではありません。

元となることは、しっかり教えます。

生徒さんの中には「家では間違いなく弾けているんですが、お教室では緊張しているからでしょうか?家で弾いている時のように間違わないで弾けません」と、おっしゃる方がけっこういるのですが、家で弾いている時、自分で練習している時に、自分の間違いに気付けないのです。

私のレッスンでは、すぐに間違いを指摘することは致しません。

自分の間違いに自分で気づくまで、弾き続けて頂きます。

5回お弾きになられても気づかず弾き続ける生徒さんもおります。

子供も大人もです。

考えて弾いていないのでしょうね。

自分の演奏を聴いていないのでしょうね。

指導者や親など誰かから言われないと、自分の演奏が良いのか悪いのか判断できない。

これは、良くないです。

命令されないと動けないというのは、良くないと思います。

私は、自分で考えて、自分で決断して行動できる人に育って欲しいと思います。

その為に、ピアノのレッスンでも、考えることを要求します。

頭は(脳は)使わないとダメになります。

頭を使って、考えて、感性を育み、主体的に生きる人間に育って欲しいと思います。

自分の人生を自由に生きられる人間に育って欲しいと思います。

感性を育む為には、本物に接することです。

心を育む為には、本物に接することです。

そして、命の尊さを教えることです。

命を頂くということを教えることです。

石岡市村上と言うところに、養豚場がありますが、私たちの栄養になる為に豚さんたちは一生懸命ご飯を食べているのです。

養豚場の豚さんたちは、人間の為にこの世に産み出され、人間の栄養になる為に生き死んでいくのです。

鶏さんも、牛さんも、同じです。

人間の心を育む為には、感性を育む為には、綺麗なものだけを見せるだけでは育たないと思います。

人間の悲しみや喜び苦しみなど、人間の心を表現したものが芸術です。

子供にこんな残酷なものを見せるのは可哀想という親御さんもいると思いますが、見せっぱなしは良くないです。

当時親御さんのフォローが大事です。

子供の心は、育てないと育たないです。

想像力も、育てないと育たないです。