「英語の早期教育について」加藤俊徳先生の著書から。結城美帆子

『英語の早期教育は、効果はあるが、リスクが高い。

グローバル化が進む中で、幼少期の頃から英語の早期教育を始めようとする親が増えています。

かくいう私も、息子たちに英語の早期教育をした一人です。

当時は家族でアメリカに住んでいたことから、息子たちが生後から英語を使うようになったのです。

せっかく覚えた英語だからと、帰国後は小学校4年生までインターナショナルスクールに通わせました。

おかげで息子たちは今でも字幕無しで英語の映画を見られるくらいの英語力を持っています。

英語の早期教育のメリットは、聞く力(聴覚系脳番地)がもっとも伸びる旬の時期が9歳までだからです。

ネイティヴ英語を完全に聞き分ける「英語を聞く力」は幼少期にしか伸びないと言えます。

ただし、英語の早期教育にはリスクもあります。

それは、母国語の能力が極端に弱くなってしまうことです。

現に、私の息子は高校を卒業するまで、日本語で自分の気持ちを正確に表現することができませんでした。

言葉はただの道具です。

グローバル化で大切なのは、言葉そのものより「何を伝えたいか」、道具である英語より、先に伝えたい中身を育てるほうが懸命です。

2020年から、小学校での英語教育が小学3年生から始まります。

子供の英語の聞き取り能力を伸ばすことだけを考えると、この時期では遅すぎるかもしれません。

それでもこの時期から英語を始めるのは、まず母国語で土台を固めるという方針があるからではないでしょうか。

母国語がしっかり身につかないと、自分の考えを持てるようにはなりません。

もし、英語教育を幼少期から取り入れたい場合には、日本語でやりとりできるようになった後、4〜5歳までは待つことをオススメします。

ただし、長時間英語に触れ続けると、その分、日本語の能力が衰えます。

1日30分などと時間を決めて、アニメや映画などで英語の音を取り入れる程度が良いでしょう。』

加藤プラチナクリニックと脳の学校を営んでおられる加藤俊徳先生の著書「頭の良い大人になる子育て」より抜粋。

著書を読んで、なるほどと思いました。

つくば市には、インターナショナルの幼稚園が数件あり、そこに通われている生徒さんたちもレッスンにお越しいただいておりますが、当教室には自閉症スペクトラムの生徒さんたちもおり、インターナショナルの幼稚園に通われているお子様たちが、言語において自閉症スペクトラムの子供と非常に似ていたので、悩んでいた時期があったのですが、謎が解けました。

自閉症スペクトラムは、言語だけの問題ではないので、違いが分かりますが、親御さんの中には「うちはインターナショナルの幼稚園に行っていて幼稚園では英語だからだと思います」とおっしゃっておやめになられた方もおりました。(一般的な年少のお子さんの場合、1ヶ月でドレミファソは覚えられるのですが、このお子さんは、6ヶ月が過ぎても覚えられませんでした。記憶力や言語の処理能力、ワーキングメモリーに問題があるように思いました。自閉症スペクトラムの場合は、言語の世界に入れないでいる状態なので、日本語と英語二つの言葉を同時に教えようとすると、ますます言語の世界に入るのは困難になると思います。診断は法律上は医師しかできませんので私は診断はできませんが、自閉症について学んできたことと自閉症児をたくさん教えてきた経験から見えてくることもございます。)

私の恩師が、お子さんの小学校入学のためイタリアから帰国して、親子で「徹子の部屋」に出演させた時、お嬢さんがお母様のことを「あなた」と言ったそうで、そのテレビ番組を観たクラスメイトに「先生はご立派だけど、お子さんのしつけはできていないのね」と言われました。

イタリアで生まれてずっとイタリアで暮らしていたので、日本語が上手く喋れなかったのでしょうね。