80歳になられるお医者様の体験レッスンがありました。結城美帆子

これまで、多少レッスンの経験がお有りの様で、ご自分で楽典のお勉強もされた様です。次のレッスンまでに進歩がなかったり、できる様にならないとレッスンに行くのが嫌になってしまうとおっしゃいました。一生懸命に練習をしても、上手く弾けるようにならない時は、必ず原因がありますから、原因がわかると上手く弾けるようになります。原因を見つけ出すのは指導者の役目だと思います。初級レベルのピアノは、認知(何の音を、何番の指で弾くのか)と、操作(指を動かす)で弾きますので、認知が出来ていないか、操作が出来ていないか、どちらかに原因があります。多くの方の場合、手を広げ過ぎてしまう傾向にあるようで、ソの音を弾くのに、広げ過ぎてしまった結果ラの音を弾いてしまうようですので、まずは、五本の指の定位置を覚えて、指を見ないで五本の指が動かせるようになると、間違えないで弾けるようになります。ピアノは、基本的に楽譜を見ながら弾きますので、手は見ないで指を動かさなければなりません。頭で考えて(自分の指の動きを想像して)指を動かしますので、空間認知能力も必要なのです。ピアノを弾くためには、脳をフル回転させるようなので、ピアノは認知症の予防に良いと言われているのでしょう。脳が発達段階のお子様は、ピアノを弾くことにより、脳育にもなるでしょう。ピアノの先生の仕事とは、生徒さんが上手く弾けないところを、上手く弾けない原因を見つけ出し上手く弾けるようにすることです。現在は、色々な教則本が売られておりますから、自分で教則本を買って勉強すれば弾けるようになると思いますが、ピアノの先生にレッスンを受けることにより、壁にぶち当たっても上手く乗り越えられ、スムーズに上達できると思います。ピアノの先生は、教則本に書いていないこと(練習の仕方や、指の動かし方、目の動かし方、指のスライドのさせ方、いつ指を動かすか、いつどのように指をスライドされるかのタイミングなど、etc…)など、お一人お一人の生徒さんが必要なことを判断して教えてくれます。教則本をただ進めていくだけの先生もいるようですけど。よく、「お一人お一人の生徒さんに合った教則本を使います」とホームページに書いてありますが、私の40年近くの経験上、100%合う教則本はないと思います。もしなければ本当にお一人お一人の生徒さんに合った教則本と言うのであれば、チェルニーのように一人一人に合った教則本を作曲しなければならないと思います。大切なのは、指導者は教則本を熟視して生徒に使わせているかどうかではないかと思います。どの教則本も、中身は同じです。私は、バイエルもしくはフランスのメトードローズを使いますが、この教則本は1冊(子供用の大きい楽譜は2冊)でピアノを弾く基礎が無駄なく最短で学べます。ただし、この教則本はほぼ5歳以上に書かれている教則本なので、5歳以下のお子様には、前段階としてソルフェージュの教則本を使用します。5歳レベルの理解力と言うことです。