40年ピアノを教え続けて考えること。結城美帆子

ピアノが上手く弾けるようになりたいからピアノを習いに来ると思っていたのですが、そうじゃない人もおりました。

音大受験やコンクールを受けたいなど、明確な目的があって習いに来る人は教えやすいです。

趣味の人は、明確な目的や目標がない人が多いので、生徒さんの目標を勝手に決めて教えていると、私と生徒さんの目指しているところが違っていて上手くいかないことが多いです。

全くの初心者は、ゼロから教えれば良いので問題はないのですが、多少なりとも経験がある方の場合は、生徒さんが求めているものがわかるまで時間がかかります。

指の使い方や音符の長さが正確に数えられていなかったので指摘しましたら、「ピアノを学ぶ人間として一生懸命弾いているのにごちゃごちゃ言われたくない」とおっしゃった生徒さんもおり、この方はなんの為にピアノを習いに来たのか?指導者の私に何を求めてレッスンに来ているのかわからず、私はこの方に何もして差し上げることができないと判断し、レッスン料金を返金し辞めていただきました。

長年お世話になっていたピアノの先生にご相談申し上げましたら、「褒められたくて来たんじゃないかしら、自分を認めてもらいたいんじゃないかしら」と言われました。

ピアノは、簡単に弾けるようになるものではありませんが、生徒の皆様が少しでもわかりやすく上達できるようにするのが私の仕事と思って一生懸命に考えてレッスンをしているつもりなのですが、申し上げたことを実践していただけないと教えられないです。

40年色々な生徒さん親御さんたちに出会いました。

みんなそれぞれですから、良し悪しはないです。

どういうのを「頭が良い」というのかわかりませんが、譜読みが早かった子で、初見力があり、家であまり練習をしないけどそれなりに弾けてしまう子は、偏差値の高い高校や大学に合格しているように思います。

ピアノは、練習も必要ですが、たくさん練習すれば上手に弾けるというものでもないのです。

私は、ピアノを楽しみたい人にピアノを教えていきたいと思います。

ピアノで苦しんでほしくないです。

ピアノで挫折を味わうことはないです。

ピアノは、他者と争うものではないです。

心豊かに音楽を楽しみましょう。

音楽で、人生の質と価値の向上を図りましょう。

なぜ、ピアノを習うのか?

心豊かな人生を送るためではないでしょうか?

少なくとも、私はそう思います。

心が豊かな人とは、他者の幸せを心から喜べる人、どんな人にも心を拡げられる人、挨拶ができる人、感謝ができる人、他者の心の痛みに想いを馳せることができる人、他者を妬んだりしない人、ではないかと思います。