最初にピアノを教えた生徒さんは、3歳でした。
私がピアノを教え始めた頃は、ピアノの導入教本と言ったら、「バイエル」・「メトードローズ」・桐朋の「新しいピアノ教本」くらいしかなく、私はバイエルから習ったので、生徒さんにもバイエルを与え、自分が先生から教わったように教え始めました。
私は、バイエル→チェルニー100番・ブルグミュラー25番・ハノン→チェルニー30番・ソナチネアルバム・インベンション・シンフォニア→チェルニー40番・クラマー・ソナタアルバム・平均律・シューベルト・メンデルスゾーン・ショパン・シューマン・プロコフィエフ、、、、、など当時としてはオーソドックスなレッスンを受けておりましたので、生徒さんにも同じように教えておりました。
が、当然の如くうまく行きませんでした。
うまく行かなかった大きな理由は、私が受けたピアノ教育は音高音大を目指し将来ピアノの指導者を目的にしたレッスンでしたが、生徒さんの多くは趣味の方なので、ピアノに対しての思い入れが親御さんも含めて違っていたと思うのに、自分が受けた専門コースへ進むレッスンをしていたことではないかと思いました。
生徒さんが理解し弾けるようになるには、試行錯誤の連続でした。
そんな中で、趣味であろうが専門コースへ進まれようが、共通して大事なことは基礎をしっかり身につけることであると思いました。
土台を作ってあげれば、たとえピアノの指導者が変更になっても積み重ねて行くことができると思いました。
ピアノを教え始めた頃は、手根骨のことも知りませんでしたし、大学で一般教養として児童心理学は学びましたが、乳幼児については知識がありませんでした。
そこで、解剖学や生理学を学びたいと准看護師の学校へお勉強をしに行ったり、発達心理学や精神分析を学び始めました。
趣味の生徒さんにまともに教えることが出来るようになったのは、解剖学や生理学・発達心理学や精神分析を学んだからです。
現在は、ほぼどのような方でも、ピアノが上手く弾けるように、ピアノで自己表現ができるように導くことができます。
ピアノの興味を示してレッスンを始めた子どもが、ピアノが好きになり得意になる為には、子どもの特性や個性を見極め子どもの発達に適した指導を行うことが大切です。
子どもが解ることを少しづつ増やして行くレッスンを行うことが、すっごく重要と思います。
けして、他の子どもと比べないことも、すっごく重要です。
発達成長には遅い早いと個人差がありますが、人間は発達し成長し老いていきますから心配は不要です。
初経が早い子もいれば遅い子もいますでしょう、閉経も早い人もいれば遅い人もいますでしょう、それと同じです。
適齢適期レッスンが大切なのです。
幼児期はリズム感や音感を育てるレッスン、手根骨が成長したらピアノをどんどん弾かせるレッスンです。
ピアノを演奏する手の形は、骨が成長してからじゃないとできないのが当たり前のような気がします。
ピアノは、MP関節から指を動かして弾きますが、小さい子どもは骨が出来ていないので、無理なのです。
私は、小さい子どもには、手の形の指導はしませんが、子どもたちは自然にピアノを弾く手の形ができるようになっています。
ピアノを与えれば自然にピアノを弾く手の形になります。
そうしないと音が出ないからです。
昔はピアノは手を丸くして指の頭が鍵盤にあたるようにそして指を上げて弾くと言われましたが、現在は指は丸くせず自然に伸ばしますし。指先で音を出すのではなく、爪が見えるように指を少し上げ指紋がついているところを鍵盤にあてて弾きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。