閉所恐怖症。結城美帆子

実は、私は閉所恐怖症なのです。

エレベーターも嫌いなのです。

電車のボックス席とか、新幹線とか、窓側の席は嫌いなのです。

ホールも、通路側じゃないと嫌なのです。

閉じ込められる不安があるのです。

狭い個室も嫌です。

精神分析は、カウチに横になって頭に浮かんだことを隠さずに分析家に話す自由連想をするのですが、エレベーターから自由連想をすると、棺桶、死体、お墓、暗い、恐い、、、、

私の小さい時に見たことが処理できていなくて、恐怖として残ってしまっていたようです。

小学2年生の時、生まれて初めて死んだ人間を見たのです。

私のいとこでした。

叔母は看護師で、私の家は当時医療関係者がいたということもあり、叔母は私の家で出産したのです。

産まれた子供は血液型不適合で、すぐに日赤病院の小児科に運び入院治療になったのですが、昔のことですからまだ医療も今のようになっていたわけではなかったので、結局助からなかったのです。

私は、生まれて初めて死体を見たのです。

産まれたばかりの赤ちゃんということで土葬だったのですが、私にとっては、これが恐い経験になってしまったようなのです。

体が入るだけの大きさの棺桶に入れられて、埋められて土をかけられる。

すごく怖かったのです。

今は、バカバカしいこととわかりますが、墓石は死んだ人が出てこないようにと立てたそうです。

お葬式の時に、お墓に埋葬に行く時と、お墓から帰ってくる時の道順は、別の道順で帰って来るのですが、それは、死んだ人がついてこないようにとのことです。

小さい頃は、大人に言われたことを、素直に信じていたのです。

成長して、知識が増えると、バカバカしいとわかるのですが、感情はそのまま残ってしまうようです。

精神分析を受けて処理することができましたので、何が何だかわからない不安ではなくなりましたが、私は自由を奪われるのが嫌なので、電車の窓側の席に座ると、トイレに行きたいときなど通路側に人に「すみません」とか言わなければならないので、嫌なのです。

ノバホールなんかも、通路側だったら自由にトイレに行けますが、奥の席だと「すみません」て言わなければならないので嫌なのです。

大学生の時に、常磐線で通っていたのですが、当時はボックス席で、窓側の席に座っていたら、酔っ払いに囲まれてしまって嫌な思いをした経験があり、これもトラウマになってます。

まあ、コンプレックスはありますよ。