認知症について。結城美帆子

私の母は、脳梗塞による血管性認知症を患い、一人で暮らしていた為、多少は銀行や警察に迷惑をかけたこともあるかも知れませんが、市の包括センターから連絡を受けた時には、母は自ら自分の車も処分し、家の中も綺麗に整理し、それこそ戒名まで頂いておりました。母は母なりに自分の状態をわかったのではないかと思います。母は母なりに自分の死を受け入れたのではないかと思います。だから、病院へ行くのも止め、薬を飲むのも止めたのではないかと思います。気が強く気丈な母から珍しく「相談したいことがあるから来てちょうだい」と携帯に電話があったことがございました。その時は、まだ元気に思えたので、まだ一人でも大丈夫と思っていたのですが、今にして思えば、すでに心不全と多発性脳梗塞を発症していたのではないかと思います。市の包括センターの人は、認知症ありきで脳の検査をしたわけでもないのに、認知症認知症と言っている間に多発性脳梗塞と心不全の病状が悪くなっていたのではないかと思います。母は、認知症の検査など受けるつもりはなかったのですが、介護をするにあたり介護保険を使う為には認知症の検査を受けなければならなかったので受けましたが、嫌がっておりました。人間、信念を持って生きていれば、たとえ認知症が発症することになっても、心配ないのではないかと思います。母の生き様を見ていてしみじみ思いました。私も母のように逝きたいと思っております。脳梗塞で入院し退院してきてからは、私が一緒に住み母を介護しておりましたが、確かに暴言や徘徊など認知症の症状はありましたけど、それが辛いと言うことは一度もございませんでした。認知症の母の介護ができることをとても幸せに思っておりました。介護でストレスになったことは、介護事業所の職員や医師とのコミュニケーションです。これが辛かったです。認知症になったらなったで良いと思っております。迷惑をかけたっていいじゃないですか。時々、銀行から「お母様が、毎月通帳を無くしたのでといらっしゃるのですが」と電話を頂いたことがありましたが、もし、「私がいない場合は銀行さんはどのように対応されるのですか」とお聞きしましたら、「再発行させて頂きます」とのお答えでしたので、「本人は一生懸命に生きているのですから、本人を尊重して再発行してください」と申し上げました。認知症は、本人が辛いとか大変とかではなく、周りが迷惑なのではないでしょうか?母は、自宅で一生懸命にリハビリもしておりました。認知症を予防することは必要と思いますが、認知症になったらなったでいいと思うのです。ただ、「ネギを背負ったカモ」にはなりたくないと思っているのですが、、、、