親御さんは、なぜ子供に勉強をさせ、ピアノを習わせるのか?結城美帆子

「子供がピアノを習いたいと言うので、親として子供のやりたい事をやらしてあげようと思って」とか、「うちの子、音楽の才能があると思うので、才能を伸ばしてあげたいと思って」とか、おっしゃって、お子様を教室に連れて来られる方が多いですが、本心は、どうなのでしょうか?子供は、ピアノのレッスンがどのようなものかわからないで連れて来られます。親も子供も、ピアノ教室に通えば、上手く弾けるようになると思ってお越しになられるのが一般的のようです。最初の入り口で、親御さんと指導者にギャップがあります。親がい思っている当たり前と、指導者が思っている当たり前に、相当の隔たりがあるようなのです。親は、童謡なんかはすぐ弾けるようになるんだろと思っているようですし、多くの親は「趣味なので、楽しければ良いですから」と言うのですが、ピアノって、それ相応に弾けるようになって初めて楽しいと思えるようになるのです。ピアノの楽しさとは、自分で弾きたいと思う曲が自分の頭や指眼・体を使って、自分に音を出し自分を表現できると言うことです。ピアノは、自分を表現する手段の一つなのです。発表会やコンクールなどで人前で演奏するということは、「私を僕を見て」承認・所属の欲求の表れだと思います。人間が成長していく過程で、認められる経験はとても大切な経験です。ピアニストもオペラ歌手も、聴いてくれるお客さんがいなかったら始まりませんからね。演奏家は、お客さんに聴いてもらってなんぼの世界ですから、ファンがいないと成り立たない商売なのです。最近のコンクールは、聴衆賞やオーディエンス賞なども設けているようですし、聴かせるパフォーマンスができる演奏者が高く評価される時代のように思います。結城美帆子門下生の皆様、ピアノで自己表現をしてください。観客の一人としていつもあなたをじっくり観ておりますよ。私は、ラカンの精神分析の勉強を初めて、今年でちょうど20年になりますが、皆様の無意識の言動から、たえず心の中を想像させていただき、レッスンをしております。精神分析は、言葉による自由連想法ですが、ピアノのレッスンでは、ピアノをどのように弾いているかで生徒さんの心の動きを感じ取りながら導いております。精神分析は、言葉による自由連想法で、分析家に転移をお越しに転移を解消しながら導いて自分の問題を解決して行く治療法ですが、ピアノは、ピアノの指導者に転移を起こしてきます。もちろん生徒さんは精神分析なんて知らないでしょうから無意識ですが、転移の関係の中で、時には指導者に合体したり拒絶をしたりしながら、自分の演奏を確立して行きます。これは、私自身、精神分析を10年以上受けている経験があるから、私ができる成せる技です。ゆえに、ピアノで自分を表現できるのです。コンクールで、自分を表現できることは、とても大切なことなのです。演奏に自分自身の心がないと良い演奏とは言えないのです。なぜなら、何度も言いますが、ピアノは自己表現をする一つの手段のだからです。