ラカン派の精神分析家向井雅明先生が、以前「自閉症の人はバッハの平均律を弾かせるといいよ」と、おっしゃっていたのですが、ピアノパラリンピックや私が主宰する演奏会で、バッハを選曲する人は一人もいないのです。
自閉症の人も、ショパンやリストなどロマン派の曲を演奏される人が多いです。
3月の演奏会も、ショパンやリスト、ドビッシーなどの曲を演奏します。
自閉症のピアニストは、グレン・グルドだけじゃないですからね。
野田あすかさんも綺麗な音色の曲を弾かれていると思います。
色々な分野の方々が、自閉症の研究をされているようですが、自閉症者を研究材料にするだけでなく、生身の人間として見て欲しいと思います。
自閉症者も、豊かな心を持っていると思います。
そして、音楽を豊かに表現する能力を持っていると思います。
私は、彼らを自閉症という枠にはめなくてもよいと思います。
知的障害がなければ、彼らなりに生きていく方法を見つけて生きていくのではないでしょうか?
自閉症の子供は、近現代の曲を弾かせると生き生き楽しそうに弾きます。
私は、まだ、自閉症の生徒にバッハのインベンションをレッスンしたことがないのですが、難しいのではないかと思います。