自閉症スペクトラムのお子様のレッスンについて。結城美帆子

自閉症スペクトラムのお子様の場合、長年の指導経験上、本人自ら「ピアノが上手く弾けるようになりたい」と心から願うことは、まず無いと思います。定型の発達のお子様でも、小学2年生くらいまでは親の意向で始められる方がほとんどではないかと思います。3歳の子供が、自ら「絶対音感を身に付けたい」なんて言いません。絶対音感も、親が子供に身に付けさせたいと願ってレッスンを始めるのではないでしょうか。最初は、親の意向でレッスンを始めても、定型の発達のお子様は、小学3年生くらいになると、「ピアノが上手く弾けるようになりたい」と思うようになり、自主的にピアノの練習をするようになりますが、自閉症スペクトラムのお子様のは、主体がないので、言われれば練習はしますが、自主的に練習をすると言うことはないようです。精神分析家の向井先生は、ご自身の著書の中で「自閉症スペクトラムの子供は、主体がないわけではなく、出せないだけだ」と申しております。私は、向井先生を信じ、自閉症スペクトラムのお子様も心からピアノを楽しめるように導きたいと思っております。そのために、まずは主体を引き出すように心がけてレッスンをしております。