自閉スペクトラム症ピアノレッスン。結城美帆子

私は、30年くらい前に知的障害者の施設で介護の仕事をしていた経験があります。

特別支援学校の高等科から、施設見学があり、高等科を卒業と同時に多くの知的障害者が入所してきました。

ほとんど寝たきり状態で、しゃべることが全くできない人もおりました。

しゃべることはできても知的能力が低いため、意思疎通が困難な人もおりました。

脳に何らかの障害があって、みんなあのようになるのだろうと思います。

もしかしたら、施設で私が接した人の中にも、自閉スペクトラム症の人がいたかもしれません。

30年前は、自閉スペクトラム症という診断名はありませんでした。

人間の脳って不思議ですね。

音痴も脳に問題がある場合がありますので、本人が自覚ができれば音痴を直すことが可能ですが、ほとんどの場合本人に自覚がないので直すのは難しいのです。

知的障害者も、本人が出来ないこと・わからないこと・違うことが自覚ができないので、できるようにすることが難しいのではないかと思います。

ラカンの精神分析で有名な3人の囚人の話を考えると、わかりやすいと思いますので、ラカン精神分析の入門書をご覧ください。

元京都大学医学部教授の新宮先生や、フランスに25年滞在してラカンを研究してきた精神分析家向井雅明先生の著書をお勧め致します。

約30年障害がある方々にもピアノを教えてきてわかったことは、脳の発達には臨界期があるのではないかということです。

定型発達の子供の場合も脳の臨界期がありますが、発達障害の子供にもあると思います。

多数の論文を読むと、多くの研究者が、8歳〜10歳と書かれております。

私の経験からも同じです。

鉄は熱いうちに打てということわざがありますが、基本的なものが出来上がるのは8歳〜10歳までのような気がします。

定型発達の子供の場合は、2歳までに脳は最初の臨界期を迎えると言われております。

2歳〜8歳で次の臨界期を迎えると言われております。

私のこれまでの経験から、発達障害の子供の場合でも、8歳までにアプローチを行えば、発達障害の改善が可能ではないかと思います。

私は、希望されるお子さんで60分レッスンを受けている生徒さんのみに、ピアノのレッスンの他に脳のトレーニングも行っておりますが、音符が読めるようになったり、音符の計算ができるようになったりと、明らかに成果は出ております。

ピアノは、ピアノが脳に良いと言われますが、ピアノを弾くために必要な能力を身につける必要もあるのです。

一般的な方は備わっているのですが、発達障害者は備わっていないことが多いので、ピアノのレッスンに入る前に、ピアノを弾くために必要な能力を養うことから始める必要があるので、通常の30分レッスンでは限界があります。

ピアノの上達には、健常者も障害者もゴールデンエイジがあります。

ゴールデンエイジを逃さないようにしたいですね。