自閉スペクトラム症の生徒さんのピアノ指導の難しさ。結城美帆子

障害者音楽連盟事務局の岩間さんと理事の前薗先生にもご相談申し上げたのですが、自閉スペクトラム症の方のピアノの指導は難しいです。

岩間さんは、「自閉スペクトラム症の人にピアノを教えることだけでも大変なことです」と、おっしゃいます。

前薗先生は、「心とか見えないもの、感覚的なことを教えるところで壁が立ちはだかってしまう」と、おっしゃいます。

私も同感です。

「間をとる」→「間を開ける」という理解になってしまったり、

「響かせる」→「長く」というように思ったり、

「スタッカートは音を短く切る」と教えると、私の模範演奏を見て「スタッカートは跳ねる」と思ったりしまったり、

「上に丸を書いて」というと、私が書いた丸をなぞったりしますし、

一般的な見え方や思考が違うようなので、

生徒さんが理解できるように教えるのに難しさを感じます。

私が自閉症者を教える時に心掛けていることは、自閉症者は主体が無いので真似をしてしまう為、極力良いとか悪いとか言わないようにして、自分で考えさせるようにして、主体を引き出すようにしております。

自閉症者を伸ばす為には、褒めてはいけないのです。

自閉症者を褒めて伸ばすことはできないのです。

前薗先生も同じことをおっしゃっておりました。

自閉症者を教えた経験がある人でなければわからないと思いますが、自閉症者は褒めらた伸ばせないのです。

これも感覚的なことなのですけどね。

自閉症者が、グレン・グルドのようなピアニストになる為には、グレン・グルドが言うように、すべてを諦めてピアノに打ち込むしか無いのかもしれませんね。

一般的な子供は褒めることで自信がつき自己肯定感が育つのですが、自閉スペクトラム症の子供は褒めることで間違った方向へ進んでしまうのです。

私の教室のように両方の生徒さんが来ている場合は、見極めをしないとどちらの子供も伸ばせないばかりか潰してしまうこともあるので、本当は親に見極めをして欲しいところなのですが、そうそう親ができることでもないようなので、私が一生懸命見極めをしてその子にあった方法で指導をしております。

個人レッスンですからできることなのですが、一人一人の子どもを伸ばすのって、すごく大変です。

すごく大変ですが、子供がピアノが上手に弾けるようになったら子供本人も親御さんも嬉しいと思うので、一生懸命に教えております。

みんなが喜んで幸せになってくれるのであれば、私はどんなに大変でも頑張ります。