臨界期。結城美帆子

脳科学者の澤口先生の著書を読むと、脳に発達には何度か臨界期があると書かれております。

やはり脳科学者の久保田先生の著書にも臨界期ということが書かれております。

音楽的な才能にも臨界期があります。

音楽の才能の一つ「絶対音感」は、聴覚の発達が止まる7歳までと言われており、3歳くらいから7歳までトレーニングを行うと身につく可能性があると言われております。

適齢適期レッスンが大切なのです。

私は、臨界期を大切に考え、適齢適期レッスンを信条としております。

「鉄は熱いうちに打て」と申しますし、恩師東敦子先生からの教えの一つでもあります。

東敦子先生からの教えに一つに「無理はいけません」という教えもあります。

当教室においては、これまで4歳までにレッスンを始めたお子様方は全員ではないですが、ほぼ絶対音感を習得できております。

5歳になると、考えるようになってしまうためか、相対音感になるようです。

相対音感は、5歳以上でレッスンを始めても一般的な方であれば身に付きます。

時々、スモールステップとおっしゃる親御さんがおりますが、ピアノはやれば少しづつできるようになるというものではなく、臨界期を考えて進めていく必要があります。

たとえば、なかなか音符が読めるようにならないお子様の場合、なぜ読めるようにならないのか原因を探して対応することが必要です。

LD(学習障害)の場合は、見え方が違うようなので、同じように教えても読めるようにはなりません。

知的障害の場合は、脳の問題に問題があるので、やはり同じように教えても読めるようにはなりません。

やればできる状態なのか?別の原因なのか?見極めて教える必要があるのです。

見極めの時期は、脳の臨界期の時期がよろしいかと思います。

澤口先生は、8歳と著書に書かれております。

久保田先生は、3歳と書かれております。

ピアノを弾く理論がわかって教えれば、一般的音符が読めなくても、弾けるように教えることができるのです。

たとえば、視覚障害の方は、一般的な音符は全く読めませんが、点字の楽譜がありますし、数字譜や、色音符、ひらがなやカタカナでできている楽譜もあります。

40年ピアノを教えてきて、色々な教則本を試してきて、バイエルに回帰した理由は、たくさんの自閉症スペクトラムの子供にピアノを教えてきてからです。

バイエルが一番理論的にできている楽譜だからです。

自閉症スペクトラムの子供は、理論的に教えるとわかるということに気付かせていただくことができました。

自閉症スペクトラムの子供たちは、機械的なこと=理論的なことを、楽しいという言葉で表現したり、面白いという言葉で表現したり、ピアノ好き、という言葉で表現をしているように思います。

努力すればできるようになることもあると思いますが、どんなに努力しても出来ないこともあると思います。

以前、知的障害もあり視覚障害の生徒さんがおり、バイエルを点字の楽譜にして教え、ブルグミュラー25番も点字の楽譜にして教え、ソナチネアルバム1巻の7番を弾けるようになったところで、家庭の事情でお辞めになられました。

やはり知的障害で特別支援学校に通われていた生徒さんは、楽譜に全て仮名を降りバイエルを最後まで弾けるようになったところで、全寮制の学校へ行かれるということでお辞めになられました。

ピアノは、一般的な音符が読めないからといって弾けないということはありません。

できること、できないことを、見極めて教えることが大切と考えております。