精神分析観点からオームの事件を考えると。結城美帆子

「なぜ、高学歴で優秀な若者たちが、あのようなカルト宗教に入ってしまったのか?」ジャーナリストたちは「わからない」と言ってますが、私はカルト宗教に入信していった若者たちの気持ちを想像できます。また、教祖の松本智津夫死刑囚がなぜ、あのような事件を起こしたのか、精神分析家であれば、精神分析観点から考えるならば、想像はできるのではないかと思います。ただ、司法の人間には、わからないことだと思います。罪もない多くの人を殺したことは悪いことで、自分の命を持って罪を償わなければならないと思いますが、彼らが事件を起こす前に、彼らに暖かい手を差し伸べる人がいなかったことが、残念に思います。悩める子羊に手を差し伸べたのが、松本智津夫死刑囚だったのでしょうね。松本智津夫死刑囚は、なぜ、妄想を抱くようになってしまったのでしょうか?彼の心の闇を解いてくれる人がいなかったのは残念に思います。日本の精神科医療が、いかに無力かと言うことではないでしょうか?精神分析観点から考えるならば、父親的な存在はどうだったか?両親の仲はどうだったのか?父親との関係はどうだったのか?親から子供をみるのではなく、子供が親をどうみているかが重要なのです。「褒めて育てる」と色々なところで言われますが、褒めて育てると高学歴で優秀な若者に育つかもしれませんが、精神分析で言う「去勢」を経験しないで成長すると、破壊に向かって行くと思います。最初は、他者を破壊しますが、最終的には、自分自身を破壊するのです。広汎性発達障害や自閉症の人たちの症状の一つに、自分の髪の毛を抜いたり、叩いたりする自傷行為がありますが、心の中の意味を考えれば同じではないかと思います。彼らは、凡人ではなく、ひじょうに繊細な人間なのですよ。繊細だから悩むのです。自分の悩みは、自分で解決するしかないのです。精神分析は、自分の悩みを自分で解決するための一つの方法です。精神分析は、精神分析家のところで、カウチに寝て、頭に浮かんだことを自由に話します。自由連想法と言います。精神分析家に話しているうちに、自分の問題に気付き、時間はかかりますが、だんだんクリアになってきます。精神分析家は、アドバイスをするようなことは致しません。ただ、安心して分析の作業が続けられるようにしてくれます。