知的障害を伴わないアスペルガー型自閉症や学習障害のお子様のレッスン。結城美帆子

現在は、「自閉症スペクトラム」と言う言葉になりましたが、以前は、知的障害を伴う「カナー型自閉症」と、知的障害を伴わない「アスペルガー型自閉症」に分けておりました。アスペルガー型の自閉症の人は、医学部に合格して医師になっている人たちもいるようです。平成18年に「発達障害者支援法」ができましたが、おそらく、多数のアスペルガー型自閉症の人は、支援を受けることは無く、問題を起こさなければ、自立した生活をすることができると思います。本人も親御さんも気が付かないで大人になって行く人が多数のように思います。問題を起こさなければ、それでいいと思います。しかし、ピアノのレッスンをしていると、自閉症の特徴が出てくるのでわかるのです。「主体」が無いのです。向井先生は「主体が無いのでは無く、出せないだけ」と申しますが、障害がある方にもピアノを教え始めて20年以上になりますが、教えているうちに「主体」が出てくる人もおりますので、私も向井先生と同じく、主体が無いわけでは無いと思います。当教室には、自閉症の診断は受けていないけれども、「もしかして自閉症かも知れない」と、思ってお連れになられる方もおりますが、診断は法律上は医師しかできませんから、私は診断はできませんが、私が「自閉症かも」と思った生徒さんは、医師の診断を受けた結果、全員自閉症スペクトラムの診断を受けました。レッスンをしていると、特徴が出てくるのです。医師でさえ、幼児は成長しないと診断ができないと言われるくらい診断が難しいと言われるのですが、音楽は感性(心と心のコミュニケーション)なので、わかるのかも知れませんね。私は、本人が困っていなければ、あえて診断を受ける必要はないと思っております。医師は、診断はしても、薬を処方する薬物療法しかできませんし、アスペルガー型自閉症者に有意義な薬物療法があるかは疑問です。私が行うピアノのレッスンは、主体を引き出すレッスンをしておりますので、レッスンを続けて行くうちに、主体的にピアノを弾くようになります。精神分析を応用したレッスンをしております。精神分析は、分析家は患者の視界に入らないような位置におりますが、ピアノのレッスンでも、指導者の私は生徒の視界に入らないように生徒の後ろに位置してレッスンをしております。生徒は、不安になる場合もありますが、自分で考えるようになり、徐々に主体的に弾くようになります。