発達障害について。結城美帆子

私の教室には、知的障害の方や身体障害の方、ダウン症、視覚障害、自閉症スペクトラムなど、障害がある方も多数ピアノを学ばれております。私が精神分析を学び、障害がある方にもピアノを教え始めて20年以上になりますが、発達障害と思われる生徒さんが増えております。子供の発達障害に気づいていない親御さんもいるように思います。おやめになった生徒ですが、この生徒の親が、「発達障害は医師に診断を受けたからと言って、治るわけでも治療法があるわけでもないから、診断を受けるつもりはない。」と言っていた医師と看護師の親がおりました。私も、あえて診断を受ける必要はないと思っております。医師の診断を受けて得られることは、障害者手帳が交付され、医療費や放課後学童支援など、色々な支援を受けられるようにはなりますが、国民が迷惑を被ることがないように、何か問題行動を起こすと察した場合は、精神病院に強制的に入院をさせられる場合もあります。発達障害者支援法ができた経緯を考えればわかります。国は、国民を守る義務はありますが、個人を守ってくれるわけではありません。個人を守る為に税金を使うなんて言ったら、国民は怒ると思いませんか?発達障害者支援法も精神障害者支援法も、支援と言う名の管理ではないかと思うのです。保険医は、管轄の保健所に、保険医の登録をしなければなりませんし、保健所から監査や指導も受けており、保健所や警察に通報の義務もありますから、精神科のクリニックなどのカウンセリングで「患者さんの言ったことは、守秘義務がありますから他に漏らすようなことはありませんので安心して話してください」と言うようですが、医師がこの患者は危険と判断した場合は、保健所や警察にに通報されます。認定心理士や臨床心理士も医師の下で業務を行っている場合は、同じです。国の管理下に置かれているから当然と言えば当然のことですが、発達障害者や精神障害者の為に良い法律なのでしょうか?私は、疑問に思います。かと言って、発達障害を個性とかたずけるのも如何なものかと思うのです。悩んでおります。昨夜、テレビで自閉症のピアニスト野田あすかさんを観ました。彼女が参加されたピアノパラリンピックの全国大会は、今年は8月25日に東京で開催されます。野田あすかさんと同じく作曲で参加予定の方もいらっしゃると聞いております。野田あすかさん以外にも頑張っている障害者はたくさんおります。発達障害者に必要なのは、障害をわかってくれる人です。障害をわかってくれて、その人が社会で生きていく為に必要なことに、そっと手を差し伸べてくれる人がいれば、障害があっても生きていけるのではないかと思うのです。私の教室から、ピティナピアノコンペティションの地区予選を通過できて、地区本選に出場する身体障害の大人の生徒さんがおりますが、補助ペダルは本部で用意してくださるとのことですが、セッティングはできないので、付き添いの方にお願いしますと言われました。ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)のこの対応をどう思いますか?健常の大人であれば、補助ペダルは必要ありませんし、付き添いも必要ありません。ピティナピアノコンペティションは、障害がある人が気を使うことなく参加できるコンペティションではないようです。社会では、このようなことがたくさんあるのです。ちょっとした心づかいがあれば、障害がある人もいちいち付き添いを頼まなくてもコンペティションに参加できると思うのです。ちょっとした優しさがあれば良いことではないかと思うのです。障害がある人が望んでいるのは、支援ではなく、ちょっとした優しさではないでしょうか?困っている人がいたら、すぐに手を差し伸べることができる人をたくさん育てたいと思います。困っている人がいたら、すぐに手を差し伸べることができる人がたくさんいたら、障害があっても、社会で生きていけるのではないでしょうか?障害者だけではなく、高齢者も同じではないでしょうか?みんな高齢者になっていくのです。高齢の母を介護している時、「支援」と言う言葉を何度も言われましたが、「支援」と言う言葉を聞くのが一番嫌でした。支援支援言われると、惨めな思いにかられ、生きていくのが嫌になることもございました。デイサービスの職員もケアマネージャーも市の福祉の人も支援支援言ってきました。言われると、自分がダメな人間に思えてきて、自分は生きていてはいけないのではないかと思えてくるのです。私は、支援をする仕事をしている人(支援をする仕事でご飯を食べている人)に精神的に追い詰められました。5ヶ月間で4人のケアマネージャーとお目にかかりましたが、私に支援と言う言葉を使わなかったのは、4人目の鈴木さんと、筑波大学附属病院のソーシャルワーカーの岩田さんだけでした。鈴木さんと岩田さんのおかげで、母を一人で最期まで介護することができたのではないかと思います。福祉の仕事の人は、仕事をタンタンとこなしてくれる人が良いです。「困ったことがあれば言ってください」何て言う人は、良くないです。彼らは、支援と言う業務をこなしているだけなはずですが、善人ぶるのです。支援をする人も、支援を受ける人も、同じではないかと思うのですが、支援をしてお金をもらっているのに、まるで無報酬で支援をしているようなつもりになっているのではないかと思うような人もおりました。