DSM五版から自閉症は自閉スペクトラム症と言う病名に変わりました。
そのおかげで、自閉症児者にもピアノを教えているピアノ指導者としては、非常に面倒になりました。
DSM4版までは、ASD(自閉症)は自閉症で、ADHDはADHDで、知的障害は知的障害で、学習障害は学習障害と、別々の診断だったので、診断からある程度生徒さんの特性を把握できたので指導計画がすぐに出来たのですが、五版になってからは、まずは生徒さんの状態を見極めることから始めなければならないので、時間と手間暇が掛かるようになりました。
4版までの診断で言う自閉症の生徒さんであれば、過集中が特性の一つでもあるので、レッスンで弾けるようにしてあげれば、お家で自分で練習が出来ますので、進みが早く上達も早い傾向にありますが、ADHDの生徒さんの場合には、特性として集中することが苦手なので、レッスンで少しづつ一緒に練習してあげないと先へ進むことが難しく、自分で練習計画を立て練習することが難しいため、指導者がどれだけ生徒さんに寄り添う時間を確保できるかによって目標達成までの時間が決まります。
知的障害がある(カナー型自閉症)の場合には、18歳くらいまでは知的レベルの成長がありますので、成長を見ながら指導をしていくことになります。
そもそも、自閉症は、最初にカナーが論文を発表して、四年後でしたでしょうか?ハンス・アルペルガーが「知的障害が無い自閉症児もいる」と論文で発表したのが始まりで、私が自閉症児にピアノを教え始めた30年くらい前は、カナー型自閉症とアルペルガー型自閉症と言っておりました。
自閉症の研究をしているラカン派の精神分析家から、グレン・グルド(自閉症のピアニスト)の話を聞き、実際にグルドの演奏を聴いて、自閉症の子どもでもピアノは上手く弾けるようになると確信したので、自閉症の子どもにもピアノを教え始めたのです。
自閉症子どもでも、ピアノを演奏することで自分の心を表現することができれば感情のコントロールが出来るようになり、社会の中で自立して生きていける人間・自分の人生を自分の力で切り拓いて生きていける人間に育てることが出来ると思ったからです。
現在は、自閉スペクトラム症と言う診断を受けている生徒さんがお越しになられていますので、アスペルガー型自閉症の生徒さんだけではなく、ADHDや知的障害の自閉症の生徒さんもおります。
ADHDの生徒さんは集中したレッスンや自宅での正しい練習が難しいですが、ピアノが上達するにつれ感動のコントロールができるようになり衝動性も抑えられるようになっています。
ピアノの演奏は両手で弾くので、脳全体を活性化させることができ、脳の発達を促している結果ではないかと思っています。
一般的なお子さんでもピアノが上手い子は勉強もできると言われますでしょ。
勉強がすごくできる子でもピアノを習っていなければピアノは弾けませんが、幼少期からピアノを習っている子はピアノが上手で勉強もすごくできるお子さんに育つ可能性があります。
勉強ができてピアノも上手に弾けたら、より人生が豊かになると思います。
結城美帆子ピアノ教室では、随時体験レッスンを承っております。
幼児〜大人まで障害の有無に関係なく初心者歓迎です。
ピアノが上手くなりたい方、お気軽にお申し込みください。
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