生徒さんがピアノのレッスンをお辞めになる時。結城美帆子

生徒さんがピアノのレッスンをお辞めになる時は、子供も大人も共通して、ピアノに魅力を感じなくなった時です。習い始めて間もないのにお辞めになられる場は、生徒さんが想像していたピアノのレッスンと違っていた場合です。3年以上続いていた生徒さんがお辞めになられる場合は、上達が感じられなくなった時です。始めがあれば、終わりがあります。出会いがあれば、別れがあります。親が音大卒魚でない限り、多くの生徒さんは、ピアノのレッスンがどう言うものかわからないでレッスンを始めるわけですから、指導者が「壁はあります」と言っても、よほどの根気と指導者との信頼関係がない限り、壁を乗り越えられずにお辞めになってしまうことでしょう。生徒さんが、いかに負担が少なく壁を乗り越えられるようにできるかが、指導者の腕の見せ所なのですが、これが実に大変なのです。腕の良い指導者にレッスンを受けると、生徒さんは壁をほとんど感じることが無く「いつの間にか、こんなに弾けるようになっちゃった」となります。私は、ピアノにおいては「できない」と思ったことがほとんどないので、私を指導してくださった先生方が、素晴らしかったのだと思います。ベートーヴェンのソナタ3番の重音が上手くできませんでした。3度の重音は、手の感覚がなくなるまでひたすら練習を続けないと弾けるようにならないでしょうね。極限に達しないと得られないことがありますけど、この3度の重音は、その一つです。極限状態を生徒さんに求めるのは 難しいですから、本人がどこまで望むかによるのです。昨日レッスンにお越しになった生徒さんが、明日ピティナピアノコンペティションを受けに行くのですが、課題曲4曲の中でどれが好きで、どれが嫌いか聞きましたら、一番練習していると思われる曲が今はと前置きして好きじゃないと申しました。まだ小学2年生なのですが、素晴らしいことです。練習をしているうちに、曲の難しさに気づいたのです。深く勉強すると言うことは、こう言うことなのです。わからないと言うことが、わかることなのです。「無知の知」ですね。感激しちゃいました。素晴らしい成長です。ピティナピアノコンペティションに参加することは、本人も親も指導者も大変なのですが、レベル的にも成長しますし、精神的にも大きく成長しますから、大変ですが、参加する価値は大いにあると思います。今回は、検定がなくなったので、参加者が減りましたが、参加される生徒の皆様は、全員が素晴らしい成長をしております。親子の絆がこんなにも深まるとも思っておりませんでしたので、ひじょうに感動しております。コンペティションに参加される人たちは皆死に物狂いで練習していると思いますので、結果はどうあれ良い経験をしていると思います。もちろん、良い結果が出ることをお祈り致しますが。