様々なピアノ教室がある中で、結城美帆子ピアノ教室をお選び頂きレッスンにお越し頂いている生徒さんと親御さんに感謝を申し上げます。
なぜ、ピアノを習うのか?
なぜ、親は子どもにピアノを習わせたいと思うのか?
ピアノは簡単に音が出るから小さいお子さんは興味を持つのかもしれませんね。
昨日は、2回目のレッスンの年長さん自閉症のお子さんのレッスンがありましたが、私と一緒にピアノを弾いたりして、とても楽しそうでした。
私は、レッスンをお引き受けするかどうかの判断は、体験レッスンにお越しになられた時に、一人でピアノの椅子に座って弾こうとするかで決めているのですが、この生徒さんは、私がピアノを弾きだすと私と同じように弾きはじめました。
これが純粋な子どもの心なのです。
小さい子どもは、大人の真似をしながら(模倣)をしながら色々なことを覚えていくのです。
小さい子どもは、教え込もうとすると、途端に拒絶反応を示します。
子どもの興味を膨らませるように導いていくことで、感性が育ち、いつの間にか素敵なピアノの演奏ができるようになるのではないかと思うのです。
本来、ピアノは練習ではないのです。
心と言いますか感性が育っていくのと同時に演奏能力も高まっていくのです。
音符や楽譜は読めないよりは読めた方がいいですが、それよりも美しい音に感動できる感性が育つ方が良いと思っています。
テクニックは大事ですが、本人がどんな音を出したいのか?どんな風に演奏したいのか?を想像しイメージできることも大事なのです。
それが、最終的に自分の音楽を創る力になるのです。
自閉症の子は心が無いと言われたり、見えないものを理解するのは難しいと言われたりしますが、そんなことはありません。
心の芽となるものは、どの子も持っています。
40年色々な人たちにピアノを教えてきて思うことは、健常者と言われる子どもも、自閉症とか発達障害の子どもも、みんな豊かな心の芽を持っていると言うことです。
心の芽を育てることができるかどうかは、育つ環境によって変わってくるように思います。
特に幼児期は、教え込む指導は良くないです。
幼児期は模倣期と思っています。
子ども達は、私をよーく見ています。
そして、真似をしようとします。
あたかもピアニストになったかのような気持ちでピアノを弾いていると思います。
コンクールへ参加される時は、金賞を求めなくても良いと思っています。
コンクールは、自分の思う音楽が創れ自分の思い通りの演奏ができることの方が大切と思います。
楽譜から作曲家の気持ちを読み取って、自分で音楽を創り演奏が出来れば予選程度は通過できます。
ファイナルや全国大会になると、解釈の違いが出てきたりするので何とも言えないところがありますが、演奏目的が自分の音楽を演奏することであれば結果はどうでもよいと思うのです。
どうしても金賞が取りたければ、自分の音楽を我慢して金賞が取れる演奏をすれば良いだけのことです。
音をミスしたり、音価を適当にするのはダメですよ。
本当の技術(テクニック)とは、自分が表現したい音が出せることです。
スケールやアルペジオは、そのために必要なことなのです。
スケールやアルペジオは、指運の基礎になるので弾きやすくなるのです。
面倒でつまらないとは思いますが、子どもの時に覚えたことは一生忘れず身についたままいられますので、スケールやアルペジオを弾いてほしいなーと思います。
ピアノは、楽しく続けられることが大切です。
その為には、豊かな感受性と感性を育み、少しづつでも技術(テクニック)を向上させることと考えております。
小さな美しいもの、
小さな温かいものを、
それぞれの子どもの歩幅で、
てくてくと、
ともに拾い集めていく人生の同伴者が「ピアノの先生」です。