東敦子先生の思い出。結城美帆子

はじめて、東敦子先生のご自宅にレッスンに母と伺った時、東先生が「アイスコーヒーでよろしいかしら、お砂糖は入れますか?」と、聞かれて出てきたのは、粉のコーヒーをお水で溶いたものにお砂糖がコップの底に沈んでおりました。母が「世界で活躍しているオペラ歌手は、お料理とかはしないのかしらね。」と、申しておりました。とってもまずいアイスコーヒーだったのです。でも、フレンドリーな先生でした。いつも「それでいいのよ」と、言ってくださいました。いつも先生が歌ってくださってのレッスンでしたので、いま思えば非常に贅沢なレッスンでした。私は高校生の時からレッスンを受けておりましたので、それこそ「カーロミオベン」から教えていただいたのです。親を大切することは、東敦子先生からの教えでもあります。