リズム・メロディー・ハーモニーの3つを、音楽の三要素と言います。
まずは、リズムが打てること。
次に、メロディーラインが弾けること。
そして、ハーモニー、両手で弾けるように教えております。
リズムを打つ為には、拍子が打てないと出来ないのですが、拍子が打てない人がけっこういるのです。
昨日のレッスンで、ピティナピアノコンペティションF級を受ける高校2年生が、「8分の6拍子を足で打ちながら弾いてみて」と、申し上げましたら、右・左・右・左・右・左・右・左・・・・・・を繰り返したので、「エッ」F級を受けるのに今更??????
毎回のレッスンで、拍子を打ちながら弾かせているのですが、拍子の意味を理解して打っていたわけではないということです。
教えることって、本当に難しいです。
言葉の意味を理解させないと、このようなことになってしまいます。
拍子が打てなくても、音価と音の高低と指使いを楽譜に書いてある通りに指を動かせばピアノは弾けますが、体で拍子を感じて弾かないと、音楽にならないのです。
音楽は、生活のなかで生まれてきたものですから、拍子は自然に打てるものなのです。
なぜなら、1歳2歳の小さい子供たちは、音楽が鳴ると、自然に体が動きますし、自然に手を叩いたりしますでしょう。
小さい子供のおもちゃに太鼓やおもちゃのピアノがあるのは、小さい子供は音の出るものが好きだからです。
ピアノを始めるのは小さいうちが良いと言われているのは、小さいうちは頭で考えずに自然に音楽の中に入れるからです。
5歳くらいになると、無意識ですが「出来なければいけない」とか思うようになるので、ぎこちなくなるのです。
脳には、発達段階があるので、発達段階に応じた指導をする必要があるのです。
脳がある程度発達した場合は、理論的に教えることが必要になります。
生徒さん本人は、正しくできているかどうかは、わかりません。
精神分析的な言い方をするならば、できるようになったことは気にならなくなるので、体に吸収できた場合は、指導者から言われなくても、体で拍子を感じて弾けるようになります。
指導者から「拍子を打ちながら弾きましょう」と言われているうちは、まだ体に身についていないということです。
拍子があって、リズムなのです。
四分音符を基準にした場合、二分の一が八分音符です。
単純拍子は、二拍子と三拍子の2つなので、「強・弱」「強・弱・弱」です。
割り算ができないと、リズムが打てませんが、基本は、二つに割ることと、三つに割ることが出来れば出来るのです。
拍子を打ちながらでなければ、リズムが打てたとは言えないのです。
私は、レッスンで毎回教えておりますが、ピアノを弾く時は、まずはリズムなので拍子を打ちながらリズム打ちをして、次に片手で拍子を打ちながら右手の練習、左手の練習をして、次に足で拍子を打ちながら両手で弾く練習をします。
全ての曲で同じことを致します。
拍子がなかったら、リズムが無いと同じなのです。
レッスン時間が少ない方の場合は、時間が足りないので、片手でメロディーを弾くところからするのですが、お家では必ず拍子を打ちながらリズム打ちをしてからメロディーを弾く練習をしましょう。
ある大人の生徒さんが、「この歳になって始めても出来るようになるのでしょうか」とおっしゃいましたが、知的障害で特別支援学校に通うお子様でもバイエル終了程度までは弾けるようになっておりますので、一般的な方であれば、弾く前にリズム打ちをやれば出来るようになります。
上手くいかない方は、自分ではやるべきことをやっているつもりのようなのですが、ピアノを弾く上で本当に大切なことをやっていないのです。
音が出てれば良いと思うレベルで良いと心のどこかで無意識にですが思っていると、そのような弾き方になります。
ピアノは、段階を追っていかないと、どの段階を端折っても、上手く弾けるようにはなりません。
習いたての生徒さんは、初級段階では、指導者の言っていることが理解できないと思いますが、指導者の言っていることが最初から理解できるのであれば、レッスン料を支払わなくても教材を進めていけば弾けるようになります。
バイエルは基本ですから、バイエル終了までは、指導者を信じて続けて頂くしかありません。
音楽は、「リズム・メロディー・ハーモニー」なのです。
どの一つが欠けても音楽では無くなるのです。
どんな上級レベルの曲を弾く時でも、全て同じです。
基本を忘れないようにしましょう。
音楽は、割り算が出来ないと出来ませんので、掛け算が出来ないと出来ませんし、掛け算は、足し算と引き算が出来ないと出来ないですから、知的障害がある方でも、20までの足し算と引き算が出来二つに割る事と三つに割る事とが出来れば弾けるようになるのです。