悩み。結城美帆子

ラカンの精神分析観点からは、本人主体のレッスンが好ましいのですが、本人の本気を待っていたのでは、一生に一度しかない大切な臨界期を逃してしまうのです。たとえば、絶対音感は、3歳前後からレッスンを始めないと身に付かないのです。3歳前後の子供が自ら絶対音感を身に付けたいなんて思うはずがありませんから、親の意向でレッスンを始めないと身に付かないのです。ピアノにしても、5歳が臨界期と言われており、10歳までに基礎を身に付けないと、先がないのです。ピアニストは、15歳で生まれるのです。鉄は、熱いうちに打たないとダメなのです。かと言って、無理矢理練習をさせようと思っても子供はやりませんから、ピアノが好きになる環境とピアノが弾きたくなる環境(練習をしたくなる環境)を整えてあげることが大切ですね。「うちの子はピアニストにしたいわけではありませんから」とおっしゃる方がおりますが、産まれた時はどの子供もピアニストになれる才能は持っているのです。ピアニストになれるかどうかは、才能を引き出せるかどうか、そしてチャンスを逃さずにつかめるかどうかなので、最初から諦めてしまったら子供が可哀想だと思いませんか?40年近くピアノを教えてきて、せっかく才能が開花しつつあってチャンスが来たのに、みすみす逃してしまっている生徒さんもおりました。子供の才能を潰すも生かすも親次第なのです。指導者は、才能を見極めることしかできないのです。歯がゆく思う時もありますが仕方がありません。ピアニストにするつもりはなくても、生理学的心理学的の観点から、5歳〜15歳にどれだけ中身の濃い練習とレッスンをしたかで、どこまで上達できるかが決まります。指導者としては、ピアニストにならなくても、教えた生徒全員が、ショパンのエチュードやベートーベンのソナタが弾けるようになって欲しいと願って、日々レッスンをさせて頂いております。