心=音。結城美帆子

ピアノの演奏は、心を表します。

「一生懸命に練習してきたよ」と言っている演奏もあれば、「今日は自信がないんだ」という演奏もあります。

私は、中学生の時、よく先生から「フォルテ、全部フォルテで弾きましょう」と言われたのですが、今にして思えば、自信がなかったのでしょうね。

タッチが浅かったのでしょうね。

40年指導をしてきた今になっても、生徒を教えていて昔の自分を反省することがたくさんあるのです。

あの時は気が付けなかったけど、やっとわかったということがあるのです。

嬉しいことです。

死ぬまでに、どれだけのことを昇華できるかが楽しみです。

生徒さんたちの演奏を聴いていると、お家での様子や親子関係、学校での立場など、色々なことが想像できます。

パーソナリティは、先天的な要因もありますが、後天的な要因もありますので、子供の演奏を聴いていると、親御さんが家庭でどのような教育方針でどのように育てていらっしゃるかも想像できます。

親御さんが何事も一生懸命な場合は、お子様も一生懸命な演奏をする傾向にあるように思いますし、親御さんがご自分のお子様を他人の前で謙遜するような場合は、自己肯定感が乏しいのか音が小さく自信のない演奏をする傾向にあるように思います。

何か悩みを抱えていたり、学校でいじめにあっているような場合は、安定感のないデコボコした演奏に聴こえたりします。

このようなことは全てのピアノの先生ができるわけではなく、心理学や精神分析学を勉強した私だからできることです。

最近の子供の傾向で、言語能力の貧弱を感じます。

何が原因なのか色々考えているのですが、一つは子供の単語に条件反射してしまう「言葉の過保護」が原因なのではないかと思います。

たとえは、子供が「オシッコ」と言っただけで、トイレに連れて行ってしまうとか、

しまうと「トイレに行きたい」と言えなくなってしまうので、

子供「ママ、オシッコ!」

ママ「………」

子供「ママ、オシッコだってばー」

ママ「ママは、オシッコじゃないわよ!」

子供「違うよ。トイレに行きたいの!」

ママ「ああ、そういう意味ね」

のような会話はいかがでしょうか。

お子様の言語能力を伸ばすには、子供の単語に条件反射しないことです。

私の知り合いのお子さんが小学校の教員をしていて一年生を担任しているのですが、鉛筆を忘れてきた生徒が「先生、鉛筆を忘れてきたので鉛筆を貸してください」と言えずに「先生、鉛筆!」といったり、何も言えずにいる子供もいると言っておりました。

ピアノを教えていても同じような子供がけっこうおります。

自分で楽譜を開かない子供もおりましたし、楽譜を忘れてくる子供もおりました。

これでは、誰が主体のレッスンかわかりませんね。

言語能力は、社会で生きていく上で必要なことと思いますので、私は面倒でも自分の言葉で話していただくようにしておりますし、自分で楽譜を出したりお片付けもするように導いております。

楽譜を忘れた時は、原則レッスンを致しません。

楽譜を貸してくださいと言ってくる方もおりましたが、楽譜は大事なものなので、私の学びの足跡でもあるので、お貸しできるものではないのです。