心が育つピアノのレッスン。結城美帆子

私は以前、愛犬のジャーマンシェパードを訓練して、茨城県警の警察犬委託試験に合格させたことがあります。犬は、できたらご褒美に餌を与えて褒めて訓練します。犬は、餌が欲しいから人間の言うことを聞いて覚えるのです。私は、餌で釣るような教え方はしませんでしたが、初めて飼ったジャーマンシェパードが委託試験に合格しました。信頼関係だったと思います。ピアノのレッスンでも、ご褒美を与えたり、褒めて育てると言う指導者もおりますが、犬じゃないですから、餌で子供を釣るのは如何なものかと思います。私は、本人が自らピアノを弾きたくなるように導くようにしております。ご褒美を与えて練習をさせると、自分のためではなく親のためにピアノをやっているような状態になってしまうと思うのです。私のレッスンは、最初は好きなようにピアノを弾かせます。次は私の真似をして弾きます。次の段階で、楽譜を見ながら弾くように教えます。曲が弾けるようになったら、作曲家の気持ちを想像させ、作曲家の想いを考えて弾くことを教えます。私のレッスンでは、たえず自分の心・相手の心を意識させピアノを弾かせませます。心とは、他者の存在があって良くも悪くも動くものです。当然、私と生徒の関係の中でも心は動きます。精神分析で言う「転移」が起こることによって、心は成長します。もう一つ私のレッスンの特長は、精神分析と心理学を取り入れたレッスンをしているので、無意識で間違って弾いてしまった場合、意識化させて間違って弾いた理由を本人に自覚させることにより、ミスをしないで弾けるようにします。なので、私のレッスンは、すごく集中したレッスンになります。