年少さんのレッスン。結城美帆子

レッスンを始めて間もない小さい子供たちは、グランドピアノの中が気になるようで、楽譜を見てくれるようになるまで時間がかかるのですが、T君は、楽譜を見て弾けるようになってきました。3歳と言う年齢は、まだ、考えて理解している状態ではないので、繰り返し教える必要があります。考えていないから、絶対音感が身につくのです。頭の中で「この音は何だろう」と考えるようになると、絶対音感では無く、相対音感に移行するようです。絶対音感は、考えて身につけるものでは無く、反射的なもののようです。絶対音感を身につけた子供たちは、「音が飛んでくる」と表現したり、「ピアノがドシャープって言ってるよ」とか申します。人間の脳って不思議ですね。成長すると、消えてしまう能力もあるのですからね。絶対音感は、生まれてからごく限られた時期に訓練を受けないと身につかない特殊な能力で、一度身についてしまえば、脳がダメージを受けない限り、死ぬまで消えない能力なのです。絶対音感は、知的財産なのです。私が育った時代にはには、ソルフェージュの指導はありましたが、絶対音感の指導はありませんでした。音楽高校に入学した時、絶対音感が有るか無いかのテストがありました。私は、単音はわかるのですが、調性感が入ると相対音感の方がしっくりしますので、歌を歌う時は、固定ドでは無く移動ドで歌います。なので、学生の時は、聴音の授業が嫌いでした。固定ドでも移動ドでも聴こえてしまうので、頭の中で変換させなければならず大変でした。イタリアの音楽大学は、移動ドでした。私が子供たちに絶対音感をレッスンしている理由は、私自身の苦手コンプレックスからです。完全な絶対音感を身につけるためには、2歳3歳でレッスンを始めることが必要です。完全な絶対音感が有ると、CDなどから楽譜を起こすことが出来るのです。私は、単旋律はできますが、オーケストレーションになると調性感が入ってしまう為できません。オーケストラで演奏をしている人たちは、パート譜がない曲もありますから、自分のパートを聴音して楽譜に起こして演奏する曲もあるのです。楽譜起こしを専門に仕事をしている人もおります。絶対音感が有れば、職業の選択も増えますので、子供たちには、可能であれば、身につけてあげたいと思ってます。