子育ての最終目的は、内発的動機を高め、言われたからやる子、物が欲しいからやる子ではなく、「自分からやる子」に育てることです。
ある有名なピアニストは、子どもの頃、親のすすめでピアノを習い始めました。
最初の頃は、親が褒めてくれるのが嬉しくて、練習を頑張ったと言います。
小学生になると、同じピアノ教室の女の子に注目されたいと言う気持ちが芽生え、そして、中学・高校生になると、ピアノでモテたいと思うようになり、練習を頑張ったとのことです。
つまり、ピアノを習い始めた頃は、ピアノ以外のものでやる気が触発された可能性があったわけですが、そのうち演奏することそのものが喜びになっていきます。
自分自身の演奏に「気持ちがいい」と思えるようになるには、ある程度の時間が必要です。
始めた頃は、先生のように上手く弾けません。
だから、外発的な支えが必要なのです。
「もうちょっと上手く弾けるようになりたいな」というふうに試行錯誤するようになり、自然と練習時間が増えていったそうです。
試行錯誤すると、「できた、気持ちがいい」と自画自賛できるようになりますから、お母さんに「練習しなさい!」と言われる必要がなくなります。
発表会やコンクールで拍手喝采を浴びるのも気持ちがいいでしょうが、もっと自分の音楽の世界、表現の技術を追求しようという気持ちにもなるでしょう。
その積み重ねの結果として、プロのピアニストとしての道が開けたのです。
子どもが自分から練習をするようになるには、仕掛けが必要なのです。
子どもは育てたように育ちます。
「できる」「できた」という体験をさせましょう。