産声は、「ラ」の音です。
最近の研究論文を読むと、産声が低くなっていると言われています。
研究者によると、「ラ」の音から上に半音、下に一音ずつと、だんだんとその声域を広げてくるそうです。
こうして子供は4歳になると一オクターブの声を出せるまでに発達してきます。
従って音程を外さないでしっかり歌えるのは4歳になってからです。
それ以前の子供に無理に大声を出させると声帯を壊してしまいますから注意が必要です。
保育園や幼稚園などで年少組の子供に「元気よく歌いましょう」と言う先生が居ますがこれは問題です。
声帯を壊してしまいます。
声帯が壊れると、透明感の無いハスキーな声になったり、声帯にポリープができたり、最悪の場合は声が出なくなってしまいます。
リズムは音楽の基礎です。
リズム感は、赤ちゃんの時から幼児期に発達します。
我々の生活は、全てリズムで成り立っています。
子供の生活で言えば、朝起床して、朝食、それから幼稚園や保育園・学校、帰宅してからも色々とやること(例えば、塾へ行く、ピアノの練習をする、遊ぶ、家のお手伝いなど)があり、入浴、夕食、就寝、と生活のリズムがあります。
生理的な面から見れば、私たちの身体はリズムで保たれています。
心臓の鼓動、呼吸のリズム、胃や腸などの消化器官にもリズムがあります。
「リズムは人間の命の元である」と言うことができます。
リズム感は、生まれた時から私達の身体を支えてくれる大切な内臓や運動の動きの原点となっているのです。
即ち、リズム感は、生まれた時から私達の身体に備わっている生得的な物であることがわかります。
人間のリズム感の元はどこにあるか?最近の研究によれば「脳幹」と呼ばれる脳の一番古い深い部分にリズム感の中枢があることがわかりました。
脳幹が壊れれば呼吸をすることができなくなりますので、生きていることが不可能になります。
脳梗塞や脳出血を発症した時、脳幹をやられると覚悟が必要と言われます。
私は、子供の発達を考えてピアノの指導をしております。
発声においては、子供であっても、喉に負担をかけない頭声発声(イタリアのベルカントボカリッチ)を教えております。
幼児期には「音楽的感覚の育成」→「聞いて→模倣して覚えて→行動する学習法」
児童期は、手首には手根骨がと言う骨がX線にはっきりと見えるようになり、手首がしっかりしてきますから、しっかりしたタッチ、自分の思う通りに動かせる指の能力を育てます。
ドイツでは、「8歳になってからピアノの先生のところへ行き、3年間に相当な曲が弾けるようになったら、将来ピアニストやピアノ教師になれる可能性がある」と言う考え方があります。
ピアニストになる為には、それなりの素質と教養と努力が必要ですから。
日本でも、ピティナコンペティションで高校一年生以下のE級金賞受賞者の中には、小学6年生もおりますし、高校一年生で特級グランプリを受賞している人もおります。