子供のレッスン。結城美帆子

どの子供も最初はみんな興味深々でピアノ教室に来ます。レッスンに入ると、私が何とも言わなければ、どの子供もみんなピアノの椅子に座りピアノを弾き始めます。ピアノを弾くと言うより、音を出し始めます。あたかもピアニストになったつもりのようです。私教室のレッスン室には、生徒用のピアノと指導者用のピアノが2台(グランドピアノ)並べてありますので、一緒に弾いてあげるとそれなりの曲に聞こえるので楽しいようです。最初は「ピアノって楽しそう。先生みたいに弾けるようになりたいな。」と、思っていただけることが大切です。ラカンの精神分析の観点から言えば、本人の「ピアノを弾きたい。ピアノを上手に弾けるようになりたい。」と言う『欲望』が大切なのです。本人に「ピアノが弾けるようになりたい。ピアノが上手に弾けるようになりたい。ピアノがもっと上手に弾けるようになりたい」と言う本人の欲望がなければ、どんなに一生懸命に教えても、どんなに優秀な指導者が教えても、ピアノを上手に弾けるようになることは難しいでしょう。ピアノを弾きたいと思わなければ、お家でピアノの練習をするのは苦痛ですから、ピアノのレッスンそのものが苦痛になってくると思います。人間には心・感情と言うものがありますから、たとえ子供であっても、やりたくないものを無理やりやらせることはできないのです。「ピアノが弾けるようになりたい」と言う『欲望』が芽生えて、そして「もっとピアノが上手に弾けるようになりたい」と『欲望』が高まるにつれ、練習もするようになりますから、上手に弾けるようになって行くのです。ピアノだけではなく、お勉強も同じで、何事もやる気にさせることが大切です。