子供のピアノの指導の難しさ。結城美帆子

ピアノを教え始めて40年近くになりますが、ここ数年、コミュニケーション能力に問題があるお子様が増えているように思います。私の教室が障害者も受け入れているためもあると思いますが、渡部由記子先生のレッスンに同行した時も、渡部先生がおっしゃっている言葉の意味がわからなくて黙り込んでしまって生徒もおりましたので、発達障害がどうこう言うだけの問題ではないように思います。過干渉は良くありませんが、放任も良くないと思います。子供を怒鳴るのも良くないと思います。つくばに教室を開室した頃、「うちでは、まだ子供を叱ったことがないので」とおっしゃった年中さんのお母様がおりましたが、このお子様は、教室に来てもやりたい放題で、私の指示にも全く従うことが出来ず、様子を見ておりましたが、1年くらいでおやめになり、他のピアノ教室に移られました。ピアノ教室って案外狭い世界なので、言われなくてもどこの教室の誰先生の教室に移ったかがわかるのです。この生徒のことも、知り合いの先生から「あの子だれだれ先生のところにきたみたいよ。親が見てあげないからダメなんですって」と聞きました。反対に、他の教室から私の教室に移ってきた生徒も、弾き方や使っている教本を見れば、いちいちダレ先生に習っていたか聞かなくても、ダレ先生に習っていたかわかるのです。ピアノは、ある程度指導者の指示に従えないと、どこのピアノ教室に行っても上手く弾けるようにはならないのです。音楽療法は、まずは自由にさせますけど、ピアノは自由にさせていたらいつまでたっても弾けるようにはなりません。