子どもは親次第

子どもは親次第

自閉症の子どもにレッスンをしていて思うことがあります。

定義では、自閉症の特性は変わるものでも治るものでもないのですが、発達を促す養育支援を受けているように思える生徒さんが多いです。

私は、精神分析サークルで自閉症についてのお勉強をさせて頂いたのですが、自閉症者には、教え込むような指導をするとどんどん引きこもってしまうので、まずは主体を引き出すことから始めるということを学びました。

自閉症の子の特徴に「おうむ返し」がありますが、最初からおうむ返しがあるわけではないように思います。

彼らの生きる手段の一つとしておうむ返しがあるのであって、おうむ返しをしなくても生きていける対人関係が築ければ、おうむ返しはしなくなると思います。

養育をたくさん受けているお子さんほど主体が引きこもっているように感じます。

多くの自閉症を研究している人たちは、自閉症者は主体が無いと言っていますが、ラカン派の精神分析家である向井雅明氏は、「自閉症者は主体が無いのではなく、怖くて出せないだけ」と言っています。

私も、たくさんの自閉症の子供にピアノを教えてきて、向井雅明氏の考えに同感しております。

向井雅明氏は、フランスに20年滞在してラカン精神分析を研究してきた方です。

私が自閉症の子供にもピアノを教えているのは、向井雅明氏に出会い、ラカンの精神分析を学び、精神分析の観点から自閉症を学び、向井雅明氏の「自閉症者は主体が無いのではなく出せないだけだから、主体を引き出せるようにしてあげればいいんだ」という考えに賛同し、自閉症者であっても、ピアノを通して主体を引き出すお手伝いができれば、みんなが幸せに暮らせる社会になると思ったからです。

私は、自閉症は障害ではなく、誰にでもある個性や特性と考えています。

なので、その子その子のペースでスタンスで成長し自分の生きる道を探せれば良いと思っています。

情緒障害や感情障害は、対人関係や環境による二次障害です。

支援は、二次障害を防ぐためにあるのです。

私はピアノを教えるのが仕事で養育をしているわけではありませんが、定型発達の子どもであれ発達障害の子どもであれ、みんな個性があり特性がありますから、指導者として大事なことは、一人ひとりの脳力・個性・特性を見極め、一人ひとりの合ったペースで、それぞれの目標が達成出来るようにレッスンすることです。

人間は育て方で天使にも悪魔にもなります。

凶悪な事件が起きると、「犯人は発達障害だった」ということが多いように思いますが、悪魔を生み出さない教育をすれば防げることです。

自閉症の特性があっても、テンプル・グランディンは農学博士で大きな牧場を経営していますし、医師や研究者になられている知り合いもおります。

自閉症のピアニストもいます。

自閉症だからといって、自活が出来ないということはないのです。

ただ、安心して主体的に生きていける環境を整えてあげることは必要かもしれません。

医師を選ぶのも、ピアノの指導者を選ぶのも、親御さんです。

お子さんの将来の幸せを考えて選んであげて欲しいと思います。

当教室には、つくば市以外に、土浦市・阿見町・筑西市・石岡市・牛久市・など結構遠方からもレッスンにお越し頂いております。

心豊かな人生を送っていただけるように誠心誠意レッスンをさせて頂いております。

これまで、日曜日に体験レッスンを行っておりましたが、日曜日のレギュラーレッスン生の枠が埋まってしまった為、月曜日〜土曜日の空き時間に承りますので、体験レッスンをお申し込みの際には、ご希望の曜日と可能時間帯をお知らせください。