自分の頭で考える子になる為に大切なこととは。
非認知能力とは、能動的な心情を自分の中でつくり出せる力です。
テストで測ることができる力を「認知能力」、テストで測ることができない力を「非認知能力」と言います。
非認知能力は、これからの社会を生きていく為にとても重要な能力と言われております。
白梅大学子ども学部教授増田修治先生の4歳児へのテストがあります。
Q次の野菜は水に浮くか、沈むか?
⒈ピーマン
⒉キュウリ
⒊ナス
⒋バナナ
⒌リンゴ
⒍ニンジン
⒎ジャガイモ
実際に水槽を用意して順番に答えを確かめながら進めたとのことです。
ピーマンは、水に浮きます。
4歳児も多くが正解したそうです。
ところが、キュウリは、子どもたちの中で答えが分かれたそうです。
ナスもバナナもリンゴも浮きます。
子どもたちは、ニンジンでどう答えたでしょうか?
子どもたちは、浮くと答えたそうです。
なぜそう思うのかと聞いたら、「これまでの全部が浮くから」と答えたそうです。
子どもたちは、ちゃんと考えているのです。
これまでの正解を聞いて、「野菜や果物は水に浮く」と考えたわけです。
でも、答えは「沈む」なのです。
ニンジンとジャガイモは、水に沈みます。
「野菜や果物は水に浮く」という仮説は正しくありませんでした。
でも、新しい仮説が浮かんできませんか?
基本的に、地下で育つものは水に沈んで、地上で育つものは浮きというわけです。
そして、子どもたちは、家に帰って、お風呂に色々な野菜や果物を浮かべてみたのです。
簡単に言えは、これが「非認知能力」です。
このクイズで、何が浮くか浮かないかといった知識を教えようとしたわけではありません。
子どもたちはクイズを通して、自分の頭でたくさん考えたのです。
そして、「面白い」「やってみよう」「調べてみよう」という気持ちになりました。
こういう能動的な心情を、自分の中でつくり出せる力、それが非認知能力なのです。
非認知能力が、認知能力を発達させるという論文もあります。
非認知能力が高い子どもはテストの点数も上がるが、テストの点数がいいからといってその子どもの非認知能力が上がるわけではないのです。
子どもの非認知能力を伸ばす為には、子どもの話を聞くことです。
「何かやりたいことある?」と聞いて、一緒に考えることです。
ピアノの練習も、「何時になったら練習に取り組める?」と子どもに聞いて、子どもに決めさせます。
子どもに選択させ決めさせれば、親からすれば「あなたが決めたことでしょう」と言えますし、子どもからすれば「自分で決めたんだからやらなくちゃ」と、自発性や意欲、責任感を養うことにもなります。
約束を守ることを教えておかないとダメですけどね。
親と子どもそれぞれが納得する「一致点」をつくるコミュニケーションをたくさん取りましょう。
そういったことが、子どもの非認知能力を育てることになるのです。