健常者と発達障害者を教えていて注意が必要と思った事。結城美帆子

私は、健常者と発達障害者の両方の方にピアノを教えております。

特徴を考慮してレッスンをしているつもりだったのですが、昨日コンペティションに参加する小学一年生のレッスンをしていた時にハッとした事がございました。

自閉症スペクトラムの人は、主体が無いので、自分の心(感情)で弾く事が出来ないので、テンポや強弱など具体的なことで曲想をつけて弾けるように導いておりますが、健常の人は、弾けるようになってくると、心(感情)が自然に動くので、「私はこんな風に弾きたい」とか思うようになり、自然に曲想をつけて弾けるようになります。

昨日レッスンにお越しになった生徒さんが、コンペティションで弾く曲を数回弾いた後、お家ではもっと自由に弾いているのではないかと思ったので、お母様に「お家でも今と同じように弾いておりますか?」と聞きましたら、お母様が「〇〇ちゃん、お家では、もっと早く弾いていたんじゃない?」とおっしゃったので、生徒に「お家で弾いているように弾いてみて」と申し上げて、お家で弾いているように弾いてもらったのですが、素晴らしかったのです。

この生徒さんは、感性がとても豊かに育っているようです。

一般的なお子さんは、主体があるので、弾き方を教えると、想像力と創造力が自然に動くので、心(感情)も動き、弾けるようになってくると「私はこういう風に弾きたい」と欲望が湧いてくるので、あまり細かい指示はしないほうが良いのです。

自閉症スペクトラムのお子さんは、具体的に細かく指示を出してあげないと、どういう風に弾くのが良いのかがわからないようなのです。

一般的なお子さんに、細かく指示をするようなレッスンをしてしまうと、主体を殺すことになってしまいます。

人間は、感情の生き物で、心がありますから、特に私は心に焦点を当てたレッスンをしておりますので、非常に神経が疲れますが、心に焦点を当てたレッスンをすることによって、音楽で心を育てることができるのです。

意識して心に焦点を当てたレッスンをしているわけではないのですが、心理学や精神分析学を学んでいるうちに、無意識に目の前にいる人や電話の先にいる人の心を診るのが癖になってしまいました。

健常の子供と、自閉症スペクトラムの子供は、同じ教え方はできないのです。

健常の子供に自閉症スペクトラムの子供に教える教え方をすると個性を殺してしまいますし、自閉症スペクトラムの子供に健常の子供に教える教え方をすると緘黙になるようなので、指導者は切り替えが必要なのです。

単なるADHD の場合は、これもまた同じ指導をすると上手くいきません。

単なるADHDの場合は、注意ができるように導いてあげることで、主体的な演奏ができます。

ピアノを教えるのって大変です。