ピアノ教師の結城美帆子でございます。
今日もブログにご訪問誠に有難うございます。
本日は、ピアノ教師にも必要な解剖学についてです。
MP関節という言葉は知られていると思いますが、手根骨を知っているピアノの先生はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
ピアノ教室のホームページや動画を拝見すると、2歳3歳でピアノを弾かせている動画がありますが、子供の身体と精神の発達を考えれば、2歳3歳でピアノを弾かせるのは如何なものかと思うのです。
私は医学部で学んだわけではないので、医学生が行うようなご遺体の解剖実習は経験がありませんが、准看護師養成所に行き一応解剖学の講義は受けました。
手根骨は概ね5歳くらいで大人と同じ8個レントゲンに写るようになり、10歳くらいではっきりしてきます。
生まれたばかりの赤ちゃんの手は、まだ骨がしっかりできていないから柔らかいのです。
「悪い癖をつけないように」とか仰って、MP関節を山にする指導をされるピアノの先生もいらっしゃるようですが、2歳3歳は骨がまだ出来ていないのですから無理なのです。
5歳くらいになると骨が出来てきますから、自閉症者が思い込みをしない限り、MP関節から自然に指を動かすようになります。
小さい子どもには、無理に教え込まない方が良いように思います。
技術を教えることよりも、良い音を聴き分けられる耳を育てることの方が先に必要な能力です。
特に自閉症のお子さんは、耳からの情報のみで何とかしようとする傾向があり、一度覚えたマニュアルを変更するのは大変な労力を必要としますので、最初の指導がすっごく重要になります。
長年の指導経験からですが、自閉症のお子さんには、手本を聴いて聴かせたり、YouTubeなどで演奏する曲の演奏を聴かせるのは良くありません。
まずは、楽譜から作曲家の意図を読み解く訓練を行うことで、自分で考えて自分の演奏が出来るようになっていきます。
楽譜から作曲家の意図を読み解く訓練は、日常生活でも活かせます。
発達心理学や精神分析学を学ぶ前は、自閉症のお子さんも一般のお子さんと同じやり方で指導を行っておりましたが、間違いだったと気付いてからは、まずは特性を見極めてから指導をするようにしています。
世の中には、経験しないとわからないことがたくさんありますが、自閉症かもしれないと思われる生徒さんを教えているピアノの先生に、私の経験が少しでもお役にてば嬉しいです。
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皆さまが、素敵なピアノライフを送ることができますように!