ピアノ教室はピアノの弾き方と音楽という芸術を学ぶ場所です。
脳のトレーニングをする所ではないと思います。
ピアノを学ぶということは、音楽を学ぶということです。
音楽は、芸術です。
芸術は、トレーニングやリハビリではありません。
私は、発達障害のお子さんもピアノのレッスンを行っておりますが、音楽療法なんて感覚は無く、ピアノの弾き方を教え音楽の素晴らしさを教えております。
そもそもピアノは脳で楽譜を読み脳で指を動かして演奏するので、ピアノを弾くことで脳が活性化され、小さいお子さんは脳の発達が促され、高齢者は認知症の予防にもなるのです。
障害者にピアノを教えている知り合いの先生は、「女の子には手芸も教えている」とおっしゃていましたが、手芸は手芸教室で習うものではないでしょうか?
キーボードを使ったグループレッスンで、音楽の美しさを感じることができるのでしょうか?
生徒を確保する為に、色々なことを取り入れるのは仕方がないかもしれませんが、私は音楽の本質を大切にレッスンを続けようと思います。
音楽の本質とは、自分の気持ちや感じたことを音で表現することです。
ピアノを習うということは、ピアノを弾くことによって人としての感性を養い、人生を心豊かに生きていく力をつけることです。
ピアノを真剣に習っている人は、演奏力と人間力が豊かに育ちます。
まずは自然にピアノに触れ楽しむこと。
手の形なんか教えなくても自然にピアノを弾く形ができます。
多くのピアノ先生は、悪い癖がつかないようにと、小さい子どもにも手の形を教えると思いますが、私も以前はやっていましたが、ナンセンスということに気付きました。
好きなようにピアノを弾かせていれば自然にピアノを弾く形を覚えるようです。
ピアノを弾く上で大切なのは、指よりも手のひらの筋肉です。
指導者たるもの、木を見て森を見ずにならないようにしたいものです。
小さい子どもは、指を伸ばしたままベタベタ弾きますが、このベタ弾きが手のひらの筋肉を発達させるのにすごく良いのです。
私のレッスン室には、グランドピアノが2台並べてあるので、生徒さんと指導者が一緒に弾くことができます。
私がレガートに弾くと、お子さんも私の真似をしてレガートに弾きます。
私が両手で元気に弾くと、子どもは何を言わなくても真似をして元気に弾きます。
真似をするのは、小さい子供の特性です。
真似をしながら音楽という芸術の世界に入って行き、自分の音楽の世界を作れるようになるのです。