まずはピアノの弾き方を教え、ピアノが弾けるようにすること。
音楽の本質とは、音で何かを表現することなので、ピアノという楽器を使って自分を自由に表現できるテクニックを教えること。
その為には、趣味・専門関係無く基礎力を養い高めることが重要です。
表現したくても、指が動かなかったら自分の思っているような表現が出来ません。
雷を表現したいのに、雷の音のようなffが出せなかったら表現出来ません。
小川のせせらぎを表現したいのに、それを表現するテクニックが無かったら表現出来ません。
車の運転免許を習得する為には、学科と運転技術の両方を学び、両方とも合格しないと運転免許証はもらえません。
ピアノも同じです。
運転免許証で言えば、学科は、ソルフェージュと楽典です。
「専門に進むわけじゃないし、楽しめる程度にピアノが弾ければ良いので、、、、、」と思って子どもにピアノを習わせる親御さんが多いと思いますが、趣味でも基礎=土台は絶対に必要なのです。
楽譜が読めなかったら、ピアノは弾けません。
楽譜を読む学習が、楽典とソルフェージュです。
リトミックは、そもそも、イタリアの小児精神科医が障害児に取り入れたのが始まりなので、健常児と呼ばれる子どもにどうなのかなーと思います。
当教室は、発達障害のお子さんもレッスンを行っているので、発達障害または発達障害かもしれないと思われる生徒さんに対してはリトミックを取り入れたレッスンを行っておりますが、一般の子さんにはリトミックは行わず、ソルフェージュのレッスンを行います。
楽典で楽譜を読むお勉強をして、ソルフェージュで拍子感やリズム感を養い、正しい音価で正しい音程で歌えるように学ぶことで、正しい音価とリズムでピアノ演奏が出来るようになります。
拍子感やリズム感は後天的なものなので適切な時期に適切な学習をすれば育てることが出来ます。
精神病理学の医師に聞いたところ音痴は脳の問題なので直せませんが、絶対音感は後天的なものなので脳の発達が臨界期を迎える前に適切な訓練を行うことで習得することが出来ます。
脳梗塞を発症すると、音程が取れなくなる人もいます。
音程を取るのも、指を動かすのも、楽譜を読むのも、全て脳なのです。
幸福な人生を送る為には、脳がいかに大切かということではないでしょうか。
ピアノを弾くことを生活の一部にしていると、CTやMRIの検査をしなくても、ある程度脳の状態を把握することが出来ます。
私は、これまで2名の生徒さんの脳梗塞を発見した経験があります。
お一人の方は、いつもは正しい音程で歌える生徒さんだったのですが、その日は、音程が外れるのです。
それで、メディカルセンターに行き検査をしたら脳梗塞で即入院でした。
もう一人は、音が小さくて鍵盤を下まで弾けていないように思い、病院受診を勧めましたら、やはり脳梗塞でした。
お二人とも発見が早かった為、適切な治療を受けることができ、後遺症も残らず復帰することが出来ました。
いつもピアノを弾くのをルーティンにしている人が、「今日は弾きたくないなあ」と思ったら前頭前野に何らかの問題が生じているかもしれませんし、ピアノは健康状態のチェックにも使えます。
ピアノを楽しみ心身共に健康で心豊かな人生を!