コンクールは短期的な喜びは得られるかもしれないけど、生涯にわたりピアノを楽しんで続けていける真のピアノ愛好家に育つかどうかは疑問に感じます。
コンクールの指導を始めた頃は、コンクールの課題曲を弾かせていれば基礎力もつくだろうと思っていたのですが、やはりハノンやチェルニーなどのエチュードを学ばないと難しいのではないかと思うようになりました。
コンクール専門と言いますか、コンクールのレッスンをメインにしていらっしゃる先生もおりますが、そもそも指導の目的が違うのでしょうね。
コンクールをメインにレッスンを行っている先生の指導目的は、コンクールで良い結果を出すことが目的なわけで、ピアノ愛好家に育つかどうかは関係ないと言えば関係ないのかもしれませんね。
ピティナピアノコンペティションの小学6年生以下のC級で全国大会に出場でき何らかの賞を受賞しても、C級程度でピアノを学ぶことをやめてしまったら、生涯にわたりピアノを楽しんで続けていける真のピアノ愛好家には育たないと思います。
ピアノの本当の面白さが実感できるのは、自分で弾きたい曲が思うように弾けるようになった時です。
その為にはやはりコンクールで金賞が受賞できるレベルでなくても、予選程度が通過できるレベルを目標にF級(上級)までまずは継続することではないかと思います。
ショパンのエチュードが弾けるレベルになって、はじめてピアノの面白さや楽しさが実感できるようになります。
それを知っているのは、指導者です。
生徒さんも親御さんも知らないので、指導者が導く必要があるのです。
私のピアノ指導の目的は、生涯にわたりピアノを楽しんで続けていける真のピアノ愛好家を育てることです。
色々な方々とお会いする中で、ご自身がピアノを習った経験がないけど子どもには習わせたという方と、ご自身がピアノを習った経験がないけど子どもにも習わせなかったという方がおりまして、この頃は年齢のせいか価値観の違いを感じるようになりました。
人付き合いをしていく中で、価値観が合う合わないは重要な要素です。
私は、音楽で人と繋がっていられることが一番の幸せなのです。
これまで、音楽の他に、医療関係や福祉関係、精神分析家の人たちと交流を持ってきましたが、音楽関係の人との交流が一番楽しいです。
精神分析家やお医者様の中にはピアノをお弾きになられ相当のお腕前の方もいらっしゃるので、そういう方とは音楽についてのお話ができますので楽しいです。
私が時々お世話になっている日本で初めて音楽家専門外来を作られた酒井先生のクリニックのリハビリ室には、グランドピアノが置いてあります。
音楽で心豊かな人生を送りましょう!