ピアノ先生の介護日記「介護は生活の一部です」結城美帆子

介護は、確かに楽なことではなく非常に大変なことですが、そもそも生きて行くこと自体が楽なことばかりではなく大変なこともあり、人生とはそう言うものなのではないでしょうか。苦あれば楽ありで、苦しいことを感じられたから楽を感じられるのではないでしょうか?いつも楽しいことだらけでしたら「楽しい」と言うことがわからないのではないでしょうか?ほぼ寝たきり状態で全介助ですから要介護5ですが、要介護5の母親を娘として介護ができる幸せもあります。今は、介護保険と言うものもありますから、ケアマネージャーさんにご相談申し上げ色々なサービスを使わせていただきながらではありますが、仕事をしながら(生活の糧を得ながら)母親の介護をさせていただいております。母は、ピアノの音色が好きで、私をピアノの先生にするのが母の願いでしたので、生徒さんのレッスンを聴いていると、穏やかな顔になり「上手ね」と言って拍手をする時もあります。私は、これも音楽療法だと思います。歌を歌ったり、音楽に合わせてみんなで体操をしたり、発達障害の子供にリトミックやピアノを弾かせることが音楽療法ではないと思うのです。音楽の効果は色々なところにあります。何もかしこまって「音楽療法」なんて言わなくてもよいと思うのです。音楽は、どこでも誰にでも癒しを与え微笑みを与えてくれます。それが本来の「音楽」です。本当は私は音楽療法なんて言葉は使いたくないのです。音楽療法士なんて言葉もありますが、何でもかんでも団体をつくって権威を作りたい人もいる様ですが、音楽を権威の道具に使うと言うのはいかがなものでしょうか?音楽は、誰のものでもなく、みんなのものです。私の母のように、失語症と全介助の人が、ほんの少しですが手を叩き言葉を発するようになるのです。私のピアノ教室にレッスンを受けにお越しくださっている生徒の皆様にも感謝です。どの生徒も心があるピアノを弾いてくださっているおかげなのです。