ピアノを習うということは、人としての感性と教養を高め素敵な人生の生き方を学ぶということです。
私が子どもの頃くらいまでは、女の子には、教養としてピアノを習わせる親御さんも多かったです。
ピアノが弾ける女性は、お見合い結婚でも有利という時代もありました。
ピアノを習うということは、礼儀やマナーを学ぶことでもありました。
ピアノのレッスンに先生のお宅に伺う時は、普段着ではなく、お出かけする時のお洋服に着替えて行きました。
お月謝の渡し方も母から教えを受けました。
当教室では、レッスン料は手渡しで頂いておりますが、毎回新札を封筒に入れてお渡ししてくださる生徒さんもいれば、折れたお札を裸のままお持ちになられる生徒さんもおります。
キャッシュレスが進む中、私は現金にこだわっているのですが、その理由は、お月謝の渡し方で、その方の(子どもの場合は親御さんの)ピアノ教育への関心度や想いが想像できるからです。
それと、親御さんの価値観や育ちも把握できます。
ピアノを教える上で、親御さんの価値観や教育方針が合わないとレッスンは上手く進まないのです。
新札で封筒に入れたお月謝を頂くのと、くしゃくしゃのお札で裸でお月謝を頂くのとでは、同じ気持ちではないです。
教え方が変わるわけではないですが、新札でお月謝を頂くと「しっかりお教えしなければ」と毎月気持ちが引き締まります。
これが人の心というものではないでしょうか?
キャッシュレスでは、味わうことが出来ない人の想い真心ではないでしょうか?
私は、これからも大事にしたいと思っています。